土地面積を確保しにくい都市部であっても、開放感のあるリラックススペースをつくることができるルーフバルコニー。ガーデニング・花火・星空鑑賞など様々な楽しみ方で活用できるルーフバルコニーですが、注意点を事前に把握しておかないと設置に後悔をしてしまうようなリスクもあります。
そこで今回は、ルーフバルコニーの活用方法や注意点などについてご紹介させていただきます。ぜひ、参考にしてみてください。
ルーフバルコニーとは?
ルーフバルコニーとは、下の階の屋根部分を活用してつくられたバルコニーのことを指します。ベランダとの違いで混合されがちなバルコニーですが、ベランダは建物の外に張り出されていて屋根が付いている歩行可能なスペースを有する空間のことです。一方のバルコニーは、2階以上の部屋で外に張り出されている「屋根のない」空間を意味します。
また、ルーフバルコニーはベランダと比較して面積が広い特徴を持っているため、開放感のあるスペースとしてリラックスやアクティビティを楽しむために活用されたり、日当たりの良さを利用して洗濯物を干すスペースとして活用されます。
ルーフバルコニーがある暮らしでの楽しみ方
様々な活用方法があるルーフバルコニーですが、ここではアクティビティ・楽しみ方にフォーカスしてご紹介いたします。
・ガーデニング / 家庭菜園
ガーデニングや家庭菜園を楽しみたくとも、周辺環境や条件によって実現できないケースは多々あります。例えば、限られた土地の中でどうしても駐車場スペースを優先する必要があったり、周りの建物の関係で1階部分の日当たりが良くない場合などは、思い通りのガーデニングが実現しにくいものです。
しかし、2階以上に設けるルーフバルコニーでは日当たりが確保しやすく、かつ、ベランダよりも広いため、ガーデニングや家庭菜園に最適な場所だと言えます。また、ルーフバルコニーのガーデニングではプランターや鉢に植物・花を植えて楽しむのが一般的なため、一階の庭のように雑草の手入れに手間をとられないで済むのも嬉しいポイントです。
・家族や友人とのバーベキュー
家族や友人を招待してバーベキューを行うのも、ルーフバルコニーの王道的な楽しみ方です。キャンプ地や川辺などでのバーベキューではなく、高い場所から景色を眺めながら食事を楽しむといった趣の異なるバーベキューを堪能することができます。
・星空や花火鑑賞
近くで花火大会が開かれている際の場所選びは意外と難しいものです。花火音が聞こえて咄嗟に家を出ても、ベストスポットを探している内に花火の打ち上げが終わってしまった、、、という事態はよく起こり得るものではないでしょうか。
しかし、ルーフバルコニーは高い場所にあり混雑が無いため花火鑑賞に最適です。小さな子供がいたとしても、移動することなく家族で花火を楽しむことができます。また、流星群が極大となる日など、星空を眺めるイベントを楽しむ場所としても最適です。
・ペットや子供たちと遊ぶ
広い空間のルーフバルコニーは、ペットや子供が走り回るスペースとしても有用です。仕事や育児、家事などに追われて散歩に行けないような日は、小型犬であればルーフバルコニーで遊ばせることで日々の運動の代わりになります。
ただ、夏の日差しが強い日などはコンクリートの床が熱くなり足が火傷をしてしまう危険があるため、人工芝などのカーペット代わりを敷いてあげることをおすすめします。
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・太陽光を浴びながらのヨガやストレッチ
日光浴には、身体や脳を活性化させるセロトニンの分泌を促す効果があります。そのため、日頃からヨガやストレッチを習慣にしている人に対しては、ルーフバルコニーでの日光を浴びながらのエクササイズをおすすめします。
その際には周囲の住宅からの視線対策を施すようにしましょう。周りからの目線を気にせず日光を浴びながらヨガやストレッチを行えば、健康づくりだけでなくストレスの軽減にも繋がります。
ルーフバルコニーをつくるメリット
続いて、ルーフバルコニーをつくることによるメリットについてご紹介いたします。
・開放感を味わえる
ルーフバルコニーは、下の階の屋根を利用して作られるため、広々としたスペースを確保することができます。また、空が広がっており、開放感を味わうことが可能です。心地よい空気を感じながら、ルーフバルコニーでの時間を過ごすことができるでしょう。
・土地の購入費用を抑えてお庭がつくれる
庭をつくりたいけれども、庭をつくれるほどスペースがある土地を買うのは予算的に厳しい、、、という場合にルーフバルコニーは一つの選択肢になります。特に土地の高い都市部では庭用のスペースを用意するか否かによって費用が変動するため、ガーデニングや家庭菜園を行う場所に強いこだわりが無い場合は大きなメリットだと言えます。
また、予算に余裕がある場合でも、ルーフバルコニーでのガーデニングを選択したうえで設備を充実させるという方向に舵を切ることが可能です。
・日当たりが良く実用的にも活用できる
ルーフバルコニーにおける様々な楽しみ方・アクティビティについて紹介をしましたが、その日当たりの良さから実用的な面による活用も期待できます。
その際たる例が洗濯物の天日干しでしょう。日当たりが良くスペースの広いルーフバルコニーでは普段の洗濯物はもちろんのこと、布団やシーツ、カーペットなどの大きな洗濯物も日光に当てて乾かすことができます。
・部屋が広く見える
ルーフバルコニーがあると、部屋とルーフバルコニーが一体化したような視覚効果が生まれ、部屋が広く見えるようになります。特に、床材の色や質感を揃えたり、壁を減らして大きな窓を設置したりすることで、一体感が生まれて広々とした空間を演出できます。
このような工夫により、実際の面積以上に部屋が広く感じられる効果を得ることが可能です。
ルーフバルコニーをつくる際の注意点
一方で、ルーフバルコニーには注意点やデメリットと言える点も挙げられます。事前にメリット・デメリット把握をしておくことで、ルーフバルコニーの必要性についてよく検討するようにしましょう。
・メンテナンス費用がかかる
ルーフバルコニーは一般的な勾配の屋根と比較して、メンテナンスの費用が高くつきます。というのも、ルーフバルコニーの場合は平面で雨水を受けるため、その構造上、しっかりとした防水・雨漏り対策が必要となるためです。定期的なメンテナンスが欠かせない以上、一般的な屋根と比較して維持費は多く必要となります。
・屋外の掃除の手間が増える
外気にさらされている部分が大きいため、ルーフバルコニーにはゴミやホコリなどがたくさん吹き込んできます。また、単純に一般的なベランダと比べてスペースが広い分、掃除・手入れの手間がどうしても大変となるのは避けられないでしょう。
掃除を怠るとゴミやホコリが排水溝に詰まって雨漏りのリスクが高まったり、カビやコケが発生しやすくなってしまうため、本当に定期的な掃除が可能かを事前に検討しておくことをおすすめします。
・風対策が必要
一般的なベランダよりも風の影響が受けやすいルーフバルコニーでは、強風や台風の日には置いてある物が吹き飛ばされないように注意が必要です。万が一下に落ちてしまっては大事故に繋がる危険性があるため、風向きを把握して置くものの選定やレイアウトは慎重に行うようにしましょう。
・定期的な防水工事が必要
建築時に防水工事が行われたとしても、状況によっては10年から20年のスパンで定期的に行う必要があります。同様に、外壁のリフォームもこのようなスパンで行われるため、経済的な負担が大きくなる可能性があります。また、防水工事のたびに業者に連絡して調査し、工事を行わなければいけないため、手間や時間がかかることを想定しておく必要があるでしょう。
後悔しないルーフバルコニーをつくるために取り組みたいポイント
せっかくルーフバルコニーを設けたとしても、後々に後悔をしてしまうというのは少なからず聞く声です。そこで最後に、ルーフバルコニーに後悔しないためにも取り組みたいポイントについてご紹介させていただきます。
・掃除のしやすい設備や構造にしておく
ルーフバルコニーを快適に使用し続けるには掃除が欠かせません。見た目においてはもちろんですが、前述した通り、雨漏りのリスクがあるため防水という観点からも定期的な掃除が必要です。この辺りの掃除・手入れを負担に感じて、ルーフバルコニーを後悔してしまうというケースはよく起こり得るものと言えるでしょう。
そのような事態を避けるためにも、「手間のかからなさ」を念頭に置いて排水溝の位置や形状に配慮をすることをおすすめします。
・鳥による被害状況を把握しておく
家を建てる周辺地域に鳥の被害が出ていないかを確認しておくことをおすすめします。というのも、洗濯物に鳥の糞が付いたり、家庭菜園に植えたものを鳥に食べられたりするなど、鳥の被害によって思い描いているとおりにルーフバルコニーを活用することが難しくなってしまう可能性があるからです。
・プライバシーの観点を考慮する
周辺にビルなどの高い建物がある場合は、そこからの目線に気を配りプライバシーを確保する必要があります。単に柵を立てるだけでなく、アルミ素材のスタイリッシュなものやウッド素材のものを用意することで、おしゃれに目隠しを仕上げることも可能です。
・断熱性に気を配る
ルーフバルコニーが外気に接していることにより、直下の部屋が気温の影響を受けやすい点についても把握をしておく必要があります。具体的には断熱性が重要で、階下の屋根部分の断熱性を高めなければ夏場に気温が高くなりすぎて大変なことになります。
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