平屋のおしゃれな屋根として人気を博している片流れ屋根。片方向に流れるように勾配のついた片流れ屋根は、モダン的な雰囲気を出しやすいためデザインにこだわりたい方におすすめの形状です。ただ、デザイン部分に目が向きやすい片流れ屋根ではありますが、実は機能面でも優れている部分があります。
そこで今回は、片流れ屋根のメリット・デメリットや、片流れ屋根を採用しても後悔しないためのポイントについてご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
片流れ屋根とは?
一般的に広く認知されている屋根は三角形の形状のものが多いですが、片流れ屋根は1枚で屋根をかけてしまうタイプの形状です。見た目的には、文字通り一方向のみに勾配がある形に特徴を持ちます。おしゃれなデザインを表現しやすくコストを抑えられるメリットがある一方で、雨や雪の影響を受けやすいというデメリットもあります。
・片流れ屋根と平屋の相性
平屋住宅で片流れの屋根を採用すると、建物の機能性が向上します。
屋根の片方の側面が高くなるため、高い位置に窓を設置することが可能です。高い位置に窓を設置すると、自然光がたっぷり入り込んで室内が明るくなります。また、換気や通風もしやすくなります。
平屋は屋根や外観のデザインが難しいとされていますが、片流れ屋根ならおしゃれにデザインすることも可能です。ただし、思っていたよりも地味な印象に仕上がってしまうこともあるので注意が必要です。
片流れ屋根のメリット
まずは、片流れ屋根を採用するメリットについてご紹介します。
・建築費を抑えられる
シンプルな見た目が特徴的な片流れ屋根ですが、デザインがシンプルなだけでなく、つくりもシンプルです。そのため、建築費を抑えやすいというメリットがあります。その要因としては、一方向の傾斜しかない分、一枚の屋根を取り付けるだけで済むという部分が大きいと言えるでしょう。加えて、雨水を抑えるための雨どいを設ける箇所も一方向で良くなるのもコスト面に寄与する要因です。
・おしゃれなデザインを表現しやすい
前述した通り、片流れ屋根は近年人気を博しているモダン構造な屋根です。大きい屋根が一枚のみで構成されているため、シンプルですっきりまとまっている印象を与えます。また、片流れ屋根は都会的なスタイリッシュな雰囲気も表現できるため、都市部の住宅に馴染みやすいデザインだと言えます。
・小屋裏スペースを活用できる
一枚の屋根で勾配をつける構造上、屋根の高くなる部分が必ずできます。そのため、片流れ屋根を採用した場合、この小屋裏スペースを有効活用できるメリットがあります。その他の屋根(例えば切妻屋根)でも高さを取ることは可能ですが、片流れ屋根ほどスペースを確保することはできません。
スペースをどのように有効活用したいかによって屋根をかける方向は変わってきますが、例えばリビングを吹き抜けのようにして広く・高く見せたい場合は、屋根が最も高くなる箇所をリビングの位置に合わせるように調整が必要となります。
・太陽光パネルを設置しやすい
近年、一般家庭でも導入が普及している太陽光パネルですが、片流れ屋根との相性が非常に良いと言えます。大きな屋根が一方向に流れている形状は太陽光パネルが設置しやすく、多くのパネルを搭載することが可能です。
太陽光パネルによる蓄電池は、電気代を抑えるコスト面による貢献だけでなく、停電時における代替エネルギーとしても期待をされています。もし、太陽光パネルの活用を見込まれている方は、屋根が南向きに流れる方向で建築可能かを検討してみてください。
片流れ屋根のデメリット
続いて、片流れ屋根を採用することによるデメリットについてご紹介します。
・雨漏りの心配が高まる
一つの方向にしかない傾斜のない片流れ屋根は、雨が降ると屋根の高いところから雨水が流れて行きます。雨水の全体がそのように同じ方向に流れていけば問題ないのですが、どうしても雨水の一部は傾斜の反対に流れていってしまいます。それが壁の隙間に流れ込んでいくことによって、雨漏りを引き起こすリスクが片流れ屋根の構造上、少なからずあります。
しかし、この問題はルーフィングと呼ばれる屋根材の防水シートを施工することによって防ぐことができるため、事前に確認をしておくようにしましょう。
・雨どいが壊れやすくなる
三角屋根であれば雨水が二方向へ分散するように流れていきますが、片流れ屋根の場合は前述した通り雨水が一方向へ流れていくため、雨どいに大量の水が流れ込むことになります。
そのため、雨どいへの負担が大きくなり壊れやすかったり、汚れが溜まって詰まりやすくなるというデメリットがあります。定期的に掃除・メンテナンスを施すことで雨どいの負担を軽減するようにしましょう。
また、雨水同様に雪も一方向にしか流れません。そのため、屋根に雪が積もった場合は、一気に雪が落ちてくるリスクがあるため、雪がよく降る地域では注意が必要です。
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・日陰になりやすい
片流れ屋根の場合、屋根が一面しかないため、ある一定の時間帯は日が当たらなくなってしまうことがあります。一方、二方や四方へ傾斜のある屋根では、太陽の高さによって日陰になる場所も変わるため、完全に日陰になる時間帯は少なくなるでしょう。
・湿気がたまりやすい
大きい屋根が一つしかない構造上、湿気がたまりやすいという点も片流れ屋根における特徴の一つです。湿気がたまらないようにするには常に空気を循環させる必要があり、屋根の傾斜が多方向にある際はその流れがスムーズになりますが、傾斜が一方向しかない片流れ屋根はどうしても湿気が集中してたまりやすくなってしまいます。
片流れ屋根を採用する際に注意したいポイント
片流れ屋根のメリット・デメリットをご紹介したところで、最後に片流れ屋根を採用しても後悔しないために注意しておきたい点や、こだわりたいポイントについてご紹介させていただきます。
・勾配と小屋裏スペースのバランスを考える
片流れ屋根を取り入れることになった際にまず考えなければいけないのは「勾配をどれくらいつけるか」という点です。勾配を大きくすればするほどスタイリッシュできりっとした印象になり、小さくすると落ち着いた印象になり周囲の外観に溶け込みやすくなります。また、勾配の大小は小屋裏スペースの大きさにも関係し、勾配が大きいほど小屋裏で活用できる空間は大きくなります。
このように片流れ屋根の勾配は見た目と機能のどちらにも影響があるため、優先したい内容を整理したうえで勾配の大きさを決定するようにしましょう。
・雨どい対策を行う
前述した通り、片流れ屋根はその構造上、雨どいへの負担が大きく壊れやすいデメリットを持ちます。そのため、定期的な掃除・メンテナンスが欠かせません。その頻度については屋根の大きさや各地域の雨量によって変化するため、事前にどれくらいの頻度でメンテナンスが必要かをシミュレーションしたうえで、無理のない計画を立てるようにしておきましょう。
・実績が豊富な工務店・注文住宅に依頼する
片流れ屋根が人気となったのがここ数年ということもあり、一般住宅においてはまだ比較的珍しい形状の屋根だと言えます。そのため、お願いする工務店・注文住宅によっては片流れ屋根タイプの建築を扱ったことがないというケースもありえるでしょう。
これまでご紹介した通り、片流れ屋根はデザインの見た目的な部分はもちろんのこと、機能面でも確認しておきたい部分が少なからずあります。そのため、なるべく片流れ屋根の建築実績が豊富な工務店・注文住宅に依頼をすることをおすすめします
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