三角屋根の魅力は、シンプルながらも住宅の外観を可愛くおしゃれに見せてくれる点にあります。実際、三角屋根の住宅は街中でよく見かけることができる人気の形状です。
そこで今回は、三角屋根ならではのメリットや活用方法、施工の際に気をつけたいポイントについてご紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください。
三角屋根とは?
「三角屋根」は「切妻屋根」とも呼ばれ、地面に向かって傾斜した2つの面で形成される三角形の屋根であり、一般的には二等辺三角形に似ている形状のものがよく見られます。
近年の日本住宅では片流れ屋根の人気が高まっていますが、それでも依然として約4割以上の新築住宅において三角屋根の形状が採用されています。
また、世界に目を向けても、おとぎ話によく出てくる家が三角屋根であるように、かわいらしく、家庭的で落ち着く雰囲気を表現できる屋根として広く普及しています。
三角屋根以外の種類
三角屋根の特徴・メリットについてご紹介する前に、三角屋根以外の代表的な屋根の種類として「寄棟屋根」「片流れ屋根」についてご紹介します。
・寄棟屋根
寄棟屋根は、正面側と背面側が台形であり、横面は三角形で構成されています。古くから使われており、外観が落ち着いた雰囲気を醸し出すことができ、耐久性に優れています。
そのため、台風の被害が多い地域の方にも適している形状の屋根です。
ただし、三角屋根よりも屋根の接合部分が多くなるため、雨漏りのリスクが高まるというデメリットもあげられます。
・片流れ屋根
片流れ屋根は屋根を1枚でかけてしまう形状です。この屋根は、一方向に勾配がある形状をしており、おしゃれなデザインを実現することができ、コストを抑えることもできます。
ただし、雨や雪の影響を受けやすく、通常の屋根よりもメンテナンスが必要な場合があるため、注意が必要です。そのため、デザインやコストの面でのメリットを享受するためには、適切なケアとメンテナンスが欠かせません。
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三角屋根にするメリット
三角屋根を採用することで得られるメリットについてご紹介いたします。
・雨漏りのリスク低減
三角屋根は屋根の形状が直線的で水捌けが良いため、雨漏りのリスクが低くなります。
また、三角屋根・切妻屋根は屋根の頂点から2枚の屋根板で構成されており、他の形状の屋根と比較して繋ぎ目が少ないため、一般的に屋根の雨漏りの原因となる箇所においても弱点がない構造だと言えます。
・施工コストを抑えられる
三角屋根は、他の形状の屋根と比較して初期費用を低く抑えることができます。というのも、屋根材料や部品が少なくて済むことから、材料費が安く抑えられるからです。
また、構造がシンプルで施工が容易なため、施工費も低く抑えることができます。さらに、リフォームやメンテナンスの際も施工費を低く抑えることができ、長期的なランニングコストやメンテナンスコストにおいてもメリットがあります。
・積雪地方では除雪が楽になる
雪が多く降る地域において、三角屋根は大きなメリットをもたらします。
というのも、2方向の傾斜に沿うように積もった雪は、地面の2箇所へ集まるように落雪するため、除雪が容易になるからです。
・太陽光を取り込みやすい角度にソーラーパネルを設置できる
ソーラーパネルは小型化・軽量化されていますが、十分な太陽光を取り込むためには、設置場所の選択も重要です
その際、三角屋根のように傾斜がある屋根に設置をすることで、太陽の角度に対応することができ、効率的な太陽光発電が可能となります。また、太陽光発電により住宅にかかる光熱費のランニングコストを抑える効果もあり、在宅ワーク・テレワークが増える中、電気代削減の対策としても有効です。
・どんなテイストのお家でも似合う
三角屋根は、シンプルなデザインのため、様々なスタイルの外観にフィットします。例えば、カントリー風・和風・北欧風・西海岸風など、どのようなデザインを選択しても違和感なく取り込むことが可能です。
また、屋根材の種類も豊富で、和風瓦や洋風瓦、金属屋根などの素材や葺き方を選ぶことで、好みの屋根デザインを実現することができます
三角屋根の活用例
屋根の「活用方法」と聞くとパッとイメージが湧かない方もいるかもしれませんが、せっかく取り付けた屋根を活用しない手はありません。ここでは、三角屋根の実用的な活用方法の例として「収納部屋」と「寝室」についてご紹介させていただきます。
・実用的な屋根裏収納
屋根裏を収納として活用することで、生活圏に配置するものが少なくなるため、スッキリとした住まいを実現しやすくなります。
常設のハシゴを置くスペースがないことを考慮し、定期的には持ち出さない持ち物を保管して置くようにするなどして、階下の収納と屋根裏部屋の収納とを上手く使い分けるようにしましょう。ここには、季節の衣類・冷暖房器具など、1年の特定の期間にしか使用されないものを含むこともできます。
・狭さが落ち着く寝室
屋根裏部屋を寝室として活用することも可能です。
しかし、天井が近すぎると圧迫感が強く、安眠できないことも考えられるため、寝具など部屋に置く家具などを低めに統一することで、一体感のある快適な空間をつくりやすくなります。また、間接照明などを活用することで、リラックスできる空間づくりを目指してみましょう。
三角屋根を施工する際に気を付けたいポイント
三角屋根を取り付けた後に後悔をしないよう、事前に把握しておくべき内容についてご紹介いたします。
・屋根の軒がない壁面は劣化しやすい
三角屋根はその構造上、家の正面側・背面側において屋根の軒の長さが短くなるため、保護としての機能はその分弱くなります。そのため、紫外線や突風にさらされやすく、変色や破損などの劣化が進みやすくなるという点に注意が必要です。
外壁を美しく保つためには、定期的な点検・メンテナンスを行うようにしましょう。
・単調なデザインにならないよう工夫が必要
三角屋根の形状を取り入れた家の外観は比較的シンプルにまとまっているため、人によってはとても地味に感じたり、物足りなさを感じる可能性はあります。
ただ、壁を深い塗り壁にしたり、玄関ドアの色を明るく目立たせたり、可愛らしい丸窓を取り付けたりといった工夫を施すことで、単調な印象を払拭する魅力的なデザインに仕上げることが可能です。
・積雪地方では落雪の場所を考慮
メリットとしてご紹介した通り、三角屋根は屋根への積雪に比較的強い形状だと言えます。しかし、屋根に雪が積もりにくいということは、その分、屋根からの落雪に注意をする必要があるということです。
人的事故や車の破損など、落雪による被害が起きないよう、落雪の場所をあらかじめ考慮しておくようにしましょう。
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