注文住宅のチラシをみていると、メーカーによって価格はいろいろです。この記事では、相場はどれくらいなのか、かかる費用にはどのようなものがあるのか、詳しく解説していきます。ハウスメーカーに問い合わせる前に知っておきたい内容なので、是非最後まで読んでみてください。
注文住宅の費用の相場・内訳とは?
注文住宅を購入する上での費用の相場やその内訳はどのようになっているのでしょうか。
費用は主に「土地購入費用」「建築費用」「その他諸費用」に分けられます。
1.土地購入費用
国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査によれば、土地購入資金は、全国平均で1,819万円、三大都市圏平均で2,626万円でした。
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2.建築費用
同じく国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査によれば、注文住宅の住宅建築資金(土地購入資金を除く)は全国平均で3,935万円、三大都市圏平均で4,504万円でした。
なお、建築費用以外に、付帯工事費用がかかります。付帯工事費用とは、その土地にもともと建っていた建物を壊す費用、外構、電気、ガス、水道の引き込み費用など建物を建てる以外の費用のことです。
中でも、「地盤改良」といって、地盤が弱い場合に、家をしっかり支えられる地盤に改良する工事を行う場合があります。これにかかる費用を「地盤改良工事費」と言いますが、杭を打ったりするため、百万単位でお金がかかることがあります。
3.その他諸費用
そのほか、住宅を取得するのに伴い、諸費用がかかります。諸費用は基本的に現金払いのものが多くなるため、特に注意が必要です。
まず、物件にかかる諸費用は次のとおりです。
『印紙税』
売主と取り交わす「売買契約書」に貼る印紙代です。売買価格が1,000万円超〜5,000万円以下の場合は本則2万円かかります。
『不動産取得税』
不動産を取得した際に発生する地方税です。不動産取得税は「固定資産税評価額×標準税率」で算出され、一定の条件を満たす不動産であれば税額軽減措置によりゼロになるケースが多いです。かかる費用は0円〜固定資産税評価額の3%です。
『登録免許税』
不動産を取得すると、不動産が自分の所有物であることを、登記簿という公の帳簿に記録する必要があります。この登記にかかる税金が登録免許税です。かかる金額は固定資産税評価額の0.1%〜2%です。
『司法書士への報酬』
登記簿への登記の手続き代行を依頼する場合に発生するお金です。依頼内容に応じて1〜13万円前後かかります。
『固定資産税清算金および都市計画税清算金』
固定資産税や都市計画税は、1月1日(または4月1日)時点で不動産を所有している人が同年1年分の税金を納めることになっています。そのため、年の途中に不動産の引き渡しがあった場合は売主が払う税金を買主が負担するのが通例となっています。建物の床面積等にもよりますが、固定資産税評価額の6分の1×1.4%(標準税率)の日割り金額)がかかります。
『仲介手数料』
不動産会社などが売買を仲介する物件を購入したときにかかる費用です。かかる費用の目安は物件価格×3%+6万円+消費税となっています。
次に、住宅ローンにかかる諸費用は以下のとおりです。
『印紙税』
住宅ローンの契約時に「金銭消費貸借契約書」を作成します。そこに貼る印紙代が印紙税です。費用は2~4万円程度です。
『登録免許税』
金融機関が土地や建物に抵当権を設定する際に登記が必要となるため、登録免許税はローン借入時にも発生します。借入額の0.1%〜0.4%が目安です。
『司法書士への報酬』
物件の登記の際と同様に、ローン借入時の登記の際にも司法書士に手続きを依頼することが多いです。金額は、4万円〜8万円程度が一般的です。
『融資事務手数料』
住宅ローンの契約時に、金融機関に支払う手数料です。3〜5万円程度または借入額の1〜3%程度が目安です。
『ローン保証料』
住宅ローンの返済が滞った場合に備えて、保証会社に支払うお金です。フラット35を利用する際には必要ありません。借入額の0.5%〜2%程度が目安です。毎月の金利に0.2%程度上乗せして支払うケースもあります。
『物件調査手数料』
物件調査手数料は、融資基準に適合する住宅であるかどうかの適合検査にかかる手数料です。主としてフラット35を利用して住宅購入する際にかかります。
『火災保険料』
住宅ローン借入時には、火災保険への加入を必須としている金融機関がほとんどです。契約期間は1年から最長10年です。契約期間が長いほど保険料は割安になり、保険料は10年一括払いの場合で15万円〜40万円程度のようです。
家づくりに関する費用のうち、付帯工事費と諸費用で、約3割を占めると言われています。「建物の費用は〇〇円くらい」の〇〇円には、付帯工事費と諸費用は入っていないことがほとんどです。
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【坪単価別】注文住宅にかかる費用相場一覧
具体的な見積もりを取る前に、注文住宅にかかる費用が大体どのくらいか知りたい場合は、「坪単価」または「平米単価」で計算することができます。
「坪」とは、日本で古くから使われてきた面積の計算単位です。一方「平米」とは、「平方メートル」のことです。1平方メートルは、縦1メートル、横1メートルの正方形です。1坪は、約3.3平方メートル、江戸間の畳で大体2枚分の広さです。
不動産広告のルールでは、必ずメートル表示によって面積を表示することが定められています。そのため、「坪」を単位として表記されていない場合もあるのですが、先にも述べたとおり1坪は約3.3平方メートルなので、割り算すれば何坪なのか知ることができます。
坪単価も、平米単価も、建築費用の総額を、建てた建物の延べ床面積で割って、1坪あたり、もしくは1平米あたりいくらかかったのかで計算します。設備をハイグレードのものにすれば、当然坪単価は上がります。
ハウスメーカーや工務店によって、坪単価の平均は異なります。どのメーカーで建てると、どれくらいの費用になるのかがわからない場合は、坪単価の平均を問い合わせてみるとよいでしょう。
そもそも、何坪くらいあれば家族が快適に暮らせる広さの家が建つのかがわからない、という方もいるのではないでしょうか。
国土交通省の『住生活基本計画における「水準」について』によると、一般型(郊外や都市部以外での戸建住宅居住を想定した場合)で、単身は約16.6坪(55平米)、2人暮らしは約22.7坪(75平米)、3人暮らしの場合で約30.3坪(100平米)、4人暮らしで約37.8坪(125平米)と基準を設けています。参考にしてみてください。
家を建てるのにかかる費用は「土地代(すでに土地を所有している場合はかからない)」、「建設費用(坪単価×坪数+付帯工事費用)」「諸経費」です。付帯工事費用や諸経費は、ハウスメーカーや工務店による違いはさほどありません。
①30坪の注文住宅の場合
30坪の注文住宅の場合で考えてみましょう。建物のみの坪単価が50万円の場合は50万円×30坪で1,500万円、坪単価が75万円の場合は75万円×30坪で2,250万円、坪単価が100万円の場合は100万円×30坪で3,000万円となります。
30坪は、3人家族が標準的に暮らせる広さです。
②35坪の注文住宅の場合
次に35坪の注文住宅の場合で考えてみましょう。建物のみの坪単価が50万円の場合は50万円×35坪で1,750万円、坪単価が75万円の場合は75万円×35坪で2,625万円、坪単価が100万円の場合は100万円×35坪で3,500万円です。
35坪は4人家族が標準的に暮らせる広さです。
③40坪の注文住宅の場合
40坪ではどうでしょう。建物のみの坪単価が50万円の場合は50万円×40坪で2,000万円、坪単価が75万円の場合は75万円×40坪で3,000万円、坪単価が100万円の場合は100万円×40坪で4,000万円です。
40坪は、4人家族が十分な余裕を持って暮らせる広さです。趣味のスペースやゆとりを持ったリビング、書斎を作りたいなどの要望があれば、これくらいの広さがあるのが理想的です。
坪単価100万円の30坪物件と、坪単価75万円の40坪物件では、建築費用はどちらも3,000万円と変わらないことにお気づきですか。このことからも、家の建築費用を考える上で「坪単価」が大きな意味を持つことがわかります。
【予算・価格別】注文住宅の実現可能な間取りやでデザイン
次に、価格帯別にどのような家が建てられるか、詳しくみていきましょう。
①1,000万~2,000万の注文住宅
1,000万円台は、住宅の予算としては相場よりもかなり抑えた金額になります。ローコスト住宅を売りにしているハウスメーカーを選び、無駄を省き、シンプルな家を建てることになるでしょう。
また、坪単価から逆算すると、一般的な戸建てと比較して、狭い家になるでしょう。
家の外壁の面積を減らすために、家の形は正方形もしくは長方形にするのがおすすめです。
また、内装の設備はハウスメーカーの標準品があれば標準品、なければエントリーモデルのものをつけることになるでしょう。
②2,000万~3,000万の注文住宅
2,000万円台前半では、ローコスト住宅に分類されることが多いです。
2,000万円台後半になってくると、多少予算の余裕が出てきます。外壁の素材を変える、キッチンのグレードをあげるなど、多少のアップグレードができるようになります。家に関する全ての要望を叶えることは難しいかもしれませんが、いくつかは実現可能になるでしょう。
③3,000万~4,000万の注文住宅
昨今の建築費用の平均から考えると、3,000万円台の物件が標準的な注文住宅になります。
住宅の形も真四角ではなく、個性を活かしたデザインのものにできます。特に、都心部では、土地の形が真四角でないことも多いので、土地の形を活かした家づくりができるという面では、3,000万円台の予算が取れると選択肢も広がります。
また、フローリングにこだわったり、内装にこだわったりといったことも可能になってきます。内装や外装にこだわりたいのなら、3,000万円台の予算は確保した方がいいでしょう。
④4,000万~5,000万の注文住宅
予算が4,000万円台になると、かなりゆとりを持ったプランが組めます。
賃貸併用住宅や、完全分離の二世帯住宅もこれだけの予算があれば、十分にプランニングすることができます。
注文住宅の費用を抑え、損しないためのポイント8選!
あまりたくさんの予算は割けないけれど、なるべくいいものにしたい!という人のために、注文住宅の費用を抑え、損しないためのポイントをお伝えします。
①凹凸があまりない総二階にする
総建築費は抑えたいが、延べ床面積は減らしたくない。そのような場合には、凸凹の少ない総二階にすれば、費用が抑えやすいです。
総二階とは一階と二階がほぼ同じ形・同じ面積となっている住宅です。一般的に同じ面積であれば、総二階にしておく方が、費用がかかる屋根と基礎の面積が少なくなるため、費用を抑えやすくなります。
②庭や外構にはフェンスを作らない
庭も含めた自分の家の範囲をはっきりさせたい、よその人に軽々しく入って来て欲しくない、などの理由で、フェンスを作ろうと考えている人もいるでしょう。
フェンスは、後付けで対応しやすく、DIYでつけることもできます。家を建てる時点では表札やポストなど最低限必要な外構だけを準備し、その他の部分はなくす、またはあとから対応することで、コストは下げられます。
③内装設備を厳選する
当然といえば当然ですが、内装設備をたくさんつけたり、性能のいいものをつけたりすると、その分価格は上がります。
あとからでも支障なくつけられるものは本当に必要になった時につける、比較的買い替えが早くやってくる電気機器類などは交換の時にグレードをあげるなどして、内装設備を厳選することでも、費用は抑えられます。
優先順位をどのようにするかは、家族でよく相談しましょう。
④メーカーのオプションの範囲を確認する
基本プランは安くても、オプションの範囲が広く、料金の加算が続くと、結局総建築費は高くなってしまいます。どこまでが標準プランで、どこからがオプションなのか、見積もりをとる時点で確認しておくことで、「こんなはずではなかった」という事態が防げます。
⑤間取りをシンプルにし、間仕切りを減らす
間取りをシンプルにし、間仕切りが減れば、その分建築費用は下がります。
例えば、主寝室と子ども部屋をつなげておいて、子どもが成長したら壁をつけて仕切れるような作りにしておけば、当面の建築費用は壁1枚分抑えられます。
ただし、間仕切りがないことで、個人の空間がなくなる、エアコンの効率が悪くなるなどのデメリットもありますので、どちらがいいかは検討が必要です。
⑥水回り(キッチンや風呂、洗面台)をワンフロアにまとめる
道路から近い位置に水回りを配置すると、配管が短くなるので住宅の建築コストを下げることができます。同様に、配管を短くするという意味で、ワンフロアに水回りをまとめて近くに配置することで、建築コストを抑えることができます。
ただし、たとえば2階建てで洗濯物を干す場所は2階を想定しているなどと言った場合は、洗濯機も2階にあった方が洗濯の動線はよくなります。
いくらコストが下がっても、暮らしやすさを犠牲にしたのでは本末転倒です。暮らしやすさを損なわない程度に、集められる水回りだけでも集めてみてはいかがでしょうか。
⑦素材や材質にこだわりすぎない
素材も、材質も、こだわり始めればキリがありません。上質な素材、材質、またそれらを使った凝ったデザインは無数にあり、金額も青天井です。
もちろん上質な素材や材質で建てた家は素敵ですが、そのために高額な住宅ローンを抱えることになったり、上質なものを傷つけまいとするあまりくつろげなかったりしては、本末転倒です。
家づくりの目的は、いいものを作ることではなく、家族が快適に過ごす家を作ることであるはずです。予算の範囲内で、よりよいものを目指すことを心がけましょう。
⑧空調管理方法を再検討する
空調管理方法はエアコンが一般的ですが、特に間仕切りの少ない間取りの場合、全館空調にすることで電気代が抑えられるケースがあります。また、空気が乾燥するからという理由で、エアコンを嫌う人もいます。
間取りやライフスタイルにあった空調管理方法はないか、エアコン一択ではなく、再検討することをおすすめします。
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私たちファミリアはつくば市・土浦市・牛久市・水戸市を中心に茨城県で注文住宅の建築を請け負う工務店です。ナチュラルなおうち、モダンでスタイリッシュなおうち、あたたかみのあるおうちなど、幅広いお家を施工しています。また、「おしゃれな家は『高く』ない。」という理念のもと、ローコスト平屋住宅を提供しています。
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