注文住宅を安く建てる方法10選!注意点も紹介

マイホームが欲しいけれど、注文住宅を安く建てる方法を知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

注文住宅は、施工方法や設備仕様の選び方、スケジュールや打合せの進め方などを見直すと、コストダウンが可能です。

そこで、本記事では、注文住宅を安く建てる方法10選を紹介します。

あらかじめ予算が決まっていて、注文住宅を安くする方法を模索中の方は、ぜひ参考にしてください。

注文住宅を安く建てる方法

注文住宅を安く建てる場合は、建物の形状を工夫したり、水回りを縮小したり、業者との打合せ回数を減らしたり、太陽光発電の導入したりなど、いくつか方法があげられます。

誰もが予算を抑えながらも納得のいく家づくりをしたいものです。では、もう少し詳しく注文住宅を低コストで建てる方法を解説します。

方法①簡易な形状の家を建てる

建物の形は、できるだけシンプルにして凹凸のない形状にすると、施工工程が減り、余計な資材も削減できるため、低コストで家を建てることができます。家の形が正方形または長方形であるのがベストです。変形の家は、費用が高くなる原因のひとつです。
外観はシンプルな形状で、間取りも複雑でなければ安い家づくりが可能です。

また、シンプルな形状の家は、メンテナンスや清掃も簡単になり、費用も複雑な家よりも安く抑えることができます。

【シンプルな家のメリット】

  • ・初期費用が安い
  • ・シンプルなものは好き嫌いに左右されない
  • ・流行がないので常に最新のイメージが維持できる
  • ・内装や模様替えを後から自由に変えやすい

方法②屋根の勾配を低くする

屋根の勾配を低くすることで費用を抑えられます。勾配を大きくすると屋根面積が広くなって、その分、屋根材が増えるので費用が高くなります。

また、天井についても、吹き抜けや天井高にすると高額になるため、標準サイズで一般的なデザインの屋根にするように計画しましょう。

屋根の費用を最も安くできるのは、「切妻屋根」です。また、構造がシンプルな「片流れ屋根」は、屋根面が大きくなりますが、比較的安くできる屋根タイプです。

「切妻屋根」は、2面の屋根材を山型に設置した屋根です。通気性が良く、雨漏り・積雪リスクが少ない特徴を持っています。デザイン性に関してはありきたりで個性がない印象ですが、機能性が確保できて安くできるので人気がある屋根タイプです。

【勾配を低くするメリット】

  • ・屋根材が減らせるので費用が安くなる
  • ・切妻屋根にすると安くて機能性が高い

方法③二階建てにする

平屋建てや三階建ての家よりも、二階建ての家がおすすめです。平屋の場合は、ある程度の土地面積を確保するために土地探しの段階で、時間を要する可能性が高くなります。屋根面積も平屋の方が広くなり、屋根材の費用も高くなります。

三階建ての場合は、構造計算が必要になり、構造材の強度を高めるためにコストが割高になります。

一方、二階建ては、土地が狭くても必要な部屋数とスペースが確報できるので、土地探しにあまり苦労せずに、比較的安いコストでの建築が可能となります。

また、固定資産税については、平屋よりも二階建ての方が安くなる傾向です。

二階建てより平屋の方が広い土地を必要とするため税金が高くなります。また、同じ延べ面積に建てた場合に平屋の方が屋根や壁の面積が広くなるため費用は高くなります。

一方、二階建ての場合は、建築に使う資材の量や施工工事によって、平屋より固定資産税の負担額が抑えられます。

【二階建てを選ぶメリット】

  • ・狭い土地に建築できる
  • ・必要な部屋数とスペースが確保できる
  • ・固定資産税が安くなる傾向

方法④壁を少なくする

外壁、内壁を少なくすると壁材が減るので安くなります。部屋数を減らすことで内壁を少なくできますが、内壁の代わりに、後からカーテンやふすま、可動式間仕切りなどで部屋の仕切りを作ることもできます。また、あえて開放的なスペースを作るために、内壁なしのデザインを希望する方もいらっしゃいます。

壁が多くなれば、その分、施工作業が増えるので、安くしたい場合は、間取りをシンプルにして内壁を減らすデザインで検討しましょう。

室内の動線については、部屋から部屋への移動に隔たりがなくスムーズな動きができるので「回遊動線」を確保できます。

一方、内壁がないことで、家族間のプライベートが無くなりますが、子どもや高齢者がいらっしゃる家庭では、いつでも目が届きやすいというメリットもあります。

したがって、壁を少なくすることで施工費用が安くなりますが、ライフスタイルに影響する面を考慮して家族と相談してから決めると良いでしょう。

【壁を少なくするメリット】

  • ・壁材が減り施工作業が少なくなるので費用が安くなる
  • ・仕切りがなくなるので開放感のある部屋になる’
  • ・回遊動線で移動がスムーズになる
  • ・子どもや高齢者に目が届きやすいスペースができる

方法⑤標準仕様を選ぶ

注文住宅を建てる場合、例え同じ広さであっても、使う壁紙や資材、設備のグレードによって費用が異なります。コストを安く抑えたいのならば、まずは、標準仕様のものを選ぶようにしましょう。

キッチンや浴室の設備機器を選ぶ場合は、機能性やデザイン性を優先し過ぎるあまり予算オーバーしないように標準グレードの製品にも注目しましょう。

また、壁紙や床材については、単価が安くデザインの気に入った仕様を選ぶようにしましょう。安くするということが品質の低下に繋がらないように、設備や資材を選ぶ際は、業者に相談しながら決めると安心です。

各ハウスメーカーや工務店で提供している標準仕様の主な設備機器は、トイレ、浴室、
キッチン、玄関ドア、フローリング、外壁、内装、窓、屋根などがあります。

まずは、モデルハウスやカタログで設備機器の仕様をチェックし、追加費用の発生しない標準仕様で大丈夫か検討します。グレードの高い設備であっても、日常的に必要でなければ、標準仕様でも充分便利に使うことができます。

気を付けたい点としては、こだわりを重視した場合、オプション仕様に偏りがちになるため、設備機器の標準仕様またはオプション仕様について分けて確認しておくと良いでしょう。

方法⑥水回りの設備を1か所にまとめる

キッチン、浴室、トイレ、洗面などは1か所にすると設備費用、配管工事費用を抑えることができます。排水構造がシンプルで配管距離が短くなるので、工事も簡単になりメンテナンスもしやすくなります。二階建ての住宅の場合は、水回りの場所を一階の真上と同じ位置にするとコストを安くできます。

また、水回りを1か所にまとめると家事労働がしやすくなり、家事動線がスムーズになります。例えば、浴室とキッチンが近いと、食事の支度をしながら子どものお風呂の様子に目が届くようになります。

ただし、家族構成などから、水回りを2か所にしたい場合は、予算と利便性についてメーカー担当者に相談して納得のいくプランを立てていくと良いでしょう。

方法⑦打ち合わせの回数を減らす

担当者との打ち合わせが増えると、人件費や住宅価格、建築のスケジュールにも関係してきます。そこで、打合せの回数を減らすことで、コストを抑えて工期も短くすることができます

打合せ回数を減らすためには、まずは明確な住宅に対するプランが求められます。
そのためには、予算にあった住宅を建てることを前提に、ある程度の妥協とこだわりを持ってバランス良くプランとスケジュールを立てることが’必要です。

家族と一緒に住む家については、家族会議を繰り返し行って、話し合いの結果まとまった意見をメーカー担当者と数回の打合せで伝えられるように工夫することが大事です。

方法⑧外構は家を建てたあとに整える

建物工事を優先して外構工事は後回しにした方が、工期も短くなって引っ越しも早くできるようになります。外構工事は、フェンスや門扉などセキュリティのための工事で済ませて、後は、引っ越してからにすると初期費用を抑えることができます。

外構工事を後回しにすることで、新居に暮らしながら使い勝手の良い外構をデザインすることができます。また、建物工事に気を取られないで、庭造りを余裕をもって楽しむことができます。

外構工事の費用相場は、平均100万〜300万円程度です。予算オーバーになりそうな場合は、外構工事を入居後にする方法もありますので、入居予定日や費用に合わせて判断しましょう。

方法⑨太陽光発電の導入を検討する

太陽光発電は、電気代の節約や売電収入、地球にやさしい生活に繋がるなど、今注目のシステムです。電気代の高騰に伴い節電効果のあるシステムとして一般家庭にも普及してきています。

太陽光発電を導入すると初期費用が高くなるイメージですが、節電効果のある設備を設置して、余剰電力を売電することで、およそ10年後には初期費用回収が見込めます
注文住宅を建てる際に、太陽光発電の導入についても合わせて検討してみましょう。

方法⑩余裕を持ったスケジュールを組む

注文住宅の工期の目安は、およそ2か月〜6か月です。安く建てる方法を取り入れた場合は、その分工期も短くなる傾向があります。スケジュールは、入居したい日から逆算して日程を決めていきましょう。

建築工事は、台風や地震などの自然災害や、施工上の遅れ、設計プランの変更などによって、工期が長引くこともあります。したがって、余裕を持ったスケジュール管理が必要です。無理なスケジュールは返って無駄なコストを招くため注意しましょう。

注文住宅を安く建てる場合の注意点

注文住宅を安く建てる方法を実践する前に、注意点として以下の内容を確認しましょう。

注意点①金額だけにこだわらない

注文住宅の予算を決める際は、希望の条件をしっかり踏まえてから安くする方法を考えましょう。安くしたことで後から後悔しないように、家の機能性や実用性を無くさずに、
デザイン的な遊びの部分も残したうえでコストダウンできる方法を見つけましょう。

注意点②ランニングコストを計算する

注文住宅を建てる際は、初期費用の他にランニングコストについても計算しておきましょう。まずは、建築を依頼する業者のアフターサービスについても確認が必要です。

入居後は、建物の定期点検を行うようになりますが、アフターサービスのない業者であると、一から点検や修理の業者を見つけなければならないため、コストが割高になってしまうケースがあります。いくら初期費用を安くしてもランニングコストが割高になってしまうと、安く建てた意味がなくなってしまいます。

したがって、注文住宅を安く建てる方法を考える際は、ランニングコストについても予算に入れて計画することが大事です。

注意点③ライフスタイルの変化を考える

注文住宅を建てる際は、将来的なライフスタイルの変化も考えて計画することが必要です。

家族一人ひとりのライフスタイルが変わることで、家の間取りが使いにくくなることもあります。

例えば、子どもは成長すると個室が必要になったり、一人暮らしのために家を出て部屋が余ったりすることも考えられます。高齢者が同居している場合は、介護しやすい間取りが必要になる場合もあるでしょう。

ライフスタイルの変化によって、部屋をリフォームするのには費用がかかるため、最初から柔軟に間取りを変えられるような設計をしておくと、追加費用を抑えることができます。

注意点④場合によっては自分で用意する

家を安く建てるには、設備機器を自分で用意する施主支給の方法があります。施主支給とは、住宅に必要な設備機器(洗面台、エアコン、トイレなど)を施主が販売店から購入して、それを施工会社に設置工事してもらうことです。

施主支給のメリットは、お得な価格で設備機器を購入できることです。一方、設備機器の設置工事の手配を自分で行うため、工期が延長することもあり、設置後の管理やメンテナンスも自分でするようになります。

したがって、安くするには、自分で用意する部分が増えるので、時間に余裕のない方は、
ハウスメーカーや工務店に依頼した方が結果的に安く済むこともあるのです。。

注意点⑤収納スペースがとれない可能性がある

注文住宅を安く建てる方法として、内壁の数を少なくして間取りをシンプルにすると、収納スペースを思い通りに取れない場合もあります。

安くすることに視点を置いて収納スペースを減らしてしまったために、後で後悔したというケースもあります。後付けでクローゼットや収納ダンスを購入しなければならなくなると、結果、高く付いてしまいます。

したがって、部屋の機能性を無くしてまでも節約するのではなく、安くする方法と実用性のバランスを考えて判断するようにしましょう。

安く注文住宅を建てたい場合に業者を選ぶ際のコツ

では、注文住宅を安く建てたい場合の業者選びのコツについて確認しましょう。
建築完了後のアフターケア、セミオーダーの採用、見積もり依頼の3つについて解説します。

アフターケアが充実している業者を選ぶ

保証内容が充実していると安心して建設工事を任せることができます。注文住宅を建てる
工程には、さまざまな気遣いが必要ですが、建築完了して入居した後も長期的に点検やメンテナンスが必要です。

したがって、注文住宅の業者を選ぶ際は、建築工事と工事後のアフターケアをトータルしてサポートしてくれる会社を選ぶようにしましょう。

もし、アフターケアができないと、初期費用が安く済んでもランニングコストが高くなってしまうこともあります。

新築住宅の保証期間は、法律で10年間と定められています。ただし、ハウスメーカーによっては10年以上の保証期間を設定している会社もあります。業者を選ぶ際は、各ハウスメーカーの保証期間と保証内容について、しっかり確認して安心して暮らせる家を維持していきましょう。

セミオーダーができる業者を選ぶ

セミオーダーとは、あらかじめ決められた複数の間取りや設備仕様のプランの中から自由に選ぶ方法です。フルオーダーよりも設計プランの自由度は低くなりますが、建売住宅よりもいくつかのプランから選択できるメリットがあります。また、フルオーダーよりも建築コストを安く抑えることができます。

あまり、こだわりが強くなく規格されたプランから選ぶ程度で良い場合は、業者の規格した範囲でスケジュールが進行するため工期も短く早く入居することができます。

セミオーダーでの選択の自由度については、例えば、床材、内装のカラーは自由に選ぶことができて、水回りの設備や間取りは、複数の提案された中から選ぶようになります。

複数の業者から見積もりをとる

注文住宅を建てる際に、まずはモデルハウスを見学して複数のハウスメーカーを選んで相見積もりを依頼する流れになります。

相見積もりを出すメリットは、1社のみでは判断できない点を複数の見積もりを比較することで、それぞれのメーカーの特徴をつかむことができます。
したがって、見積もりは、すべて同じ内容で依頼した方が比較しやすくなります。

また、見積もりの見方としては、まずは「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の計算をチェックします。次に、それぞれの内訳の項目を確認します。金額以外に、内容に何が含まれているか、必要な内容が記載されているか確認しましょう。

安く注文住宅を建てる場合と一般的な注文住宅の費用の相場

注文住宅を建てる場合の内訳については、以下の通りです。

  • ・土地の購入費用:仲介手数料、手付金、印紙税、不動産取得税、登記費用、固定資産税、都市計画税など
  • ・建物本体の工事にかかる費用:仮設工事、基礎工事、木工事、設備工事、電気工事など
  • ・建物の付帯工事にかかる費用:地盤改良工事、解体、伐採工事、造成、整地工事、外構工事、造園工事、引き込み工事(給排水、電気、ガス、テレビ、インターネット)など
  • ・諸費用:本体工事、付帯工事以外の費用

土地の購入費用については、土地代が約3~4割程度で、建物の建築費が約6〜7割程度で検討しましょう。土地購入時の手付金として建物価格の5%〜10%を支払うようになります。

建物にかかる費用の割合の目安は、全体の7割が本体工事、2割が付帯工事、1割が諸費用です。

例えば、3,000万円の予算で注文住宅を建てる場合は、以下の費用の割合になります。

  • ・建物本体の工事にかかる費用:2,100万円程度
  • ・建物の付帯工事にかかる費用:600万円程度
  • ・諸費用:300万円程度

注文住宅の費用相場については、国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」のデータによりますと、住宅建築資金は、全国平均「3,935万円」、土地購入資金は、全国平均「1,819万円」、住宅建築資金と土地購入資金の総額は、全国平均「5,436万円」です。

住宅ローンを活用する際は、月々の返済額、ローン借入額を決めて、無理のない計画を立てましょう。

一方、安く注文住宅を建てる場合は、費用相場として本体価格1,000万円台からとなっています。一般的な建物の広さは25〜40坪で、坪単価30〜50万円台が目安です。

通常の注文住宅を建てる場合は、坪単価50〜60万円程度、大手ハウスメーカーで70〜80万円が相場となっています。

安い注文住宅でも、機能性やデザイン性を兼ねそなえたプランもありますので、ローコストのハウスメーカーのモデルハウスを見学して予算に合わせて安くする方法を検討しましょう。

ローコストのハウスメーカーで検討する際は、以下の会社について確認すると良いでしょう。

    • ・アイダ設計
    • ・アイフルホーム
    • ・アエラホーム
    • ・ユニバーサルホーム
    • ・タマホーム
    • ・レオパレス

注文住宅は安く建てられる!

費用を安くしたいけれど、少しは希望も叶えたいという方は、安く建てる方法を実践しましょう。

屋根の勾配や水回り、間取りや内壁の数など、施工の工程を減らす工夫をすると、コスト削減につなげることができます。また、打合せも効率よく進めることで回数を減らすことができて、その分工期も短縮して費用も抑えることができます。

建築を依頼する業者については、住宅の維持管理のためにもアフターサービスや保証が手厚く、見積もり内容が適切な業者を選びましょう。

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カテゴリー: 住宅について パーマリンク

監修者

池田 恵子

ファミリア株式会社 取締役

略歴

  • アトリエファイ建築研究所
    (建設・現場監理に従事。)
  • 池田林業株式会社
    (設計・現場監理に従事。後に取締役に就任し現在に至る。)

資格