リビングの一角に設けられることの多い「小上がり和室」は、モダンで和な雰囲気を家の中にもたらしてくれる人気の間取りです。
お家全体は洋風に仕上げながらも、ワンポイントで和のテイストを設けたいというニーズを満たしてくれる小上がり和室。しかし、用途を考慮しないで設けてしまうと、「失敗した」と後から後悔をしてしまうケースも多いようです。
そこで今回は、小上がり和室を設けるメリット・デメリットについて、そして後悔しないために注意したいポイントについてご紹介させていただきます。小上がり和室を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
小上がり和室とは
小上がり和室とは、床から一定の高さにある段差を備えた和室のことです。多くの場合、リビングスペースに設置されますが、一般的な和室と比較して使い勝手が良く、近年特に普及しています。
別室に設ける和室だと敷居が高いと感じつつも、「和の雰囲気が欲しい」「小さめの和室が欲しい」と希望される方に人気の間取りです。
小上がり和室のメリット
まずは、お家の中に小上がり和室を設けることで得られるメリットについてご紹介いたします。
・収納スペースになる
小上がり和室には収納量を増やしてくれるというメリットがあります。
例えば、小上がり和室で必ず生まれる「段差部分」の空間を活用し、引き出し収納を設けることで、子供のおもちゃや収納しきれない洋服をしまうことが可能です。
物が多くて収納に困っている方や、家があまり大きくなく収納スペースを確保する必要がある人にとっては、小上がり和室は有効的です。
・腰掛け場になる
リビング内に設置されることの多い小上がり和室は、腰を掛けることができるため椅子やソファーの代わりとして利用されます。
腰を掛けることで、一緒に座った人と目線の高さが合い、話しやすい空間が生まれます。また、多くの来客があった際の座るスペースとしても活用できるため、イベント時に親戚や友人と集まる機会が多い家庭では便利です。
・リビングに立体感が生まれる
小上がり和室を設けると床面との間に段差が生じるため、リビングにメリハリが生まれ、空間全体に立体感をもたらします。アクセントになるデザイン性の高い空間を手軽に演出できるため、新築後のリフォームで小上がり和室を設ける方も多いです。
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・リビングへのホコリの侵入を防げる
一般的な和室ではリビングルームとの間に段差がないため、ホコリやチリなどの汚れが入りやすいものです。しかし、小上がりの和室では段差がゴミの侵入を防いでくれるため、リビングが綺麗な状態に保たれやすく、掃除の手間が省けるというメリットがあります。
・間仕切りをつけて個室としても利用可能
仕切りを設けて独立した個室のような空間を作り出すことも可能です。
仕切りによってリビングなどの住居空間との間に明確な線を引くことで、応接室やゲストルーム、あるいは寝室としても活用することができます。
その他、「子供の遊び場」として、寝転がって「昼寝」をするスペースとしてなど、小上がり和室は様々な用途で活用されています。
小上がり和室のデメリット
続いて、小上がり和室ならではの注意点・デメリットについてご紹介いたします。メリットとデメリットの両方を把握した上で、検討してみてください。
・バリアフリーに向いていない
高齢になると、小さな階段を登ったり降りたりすることも困難になり、滑って転倒をして怪我をするリスクも高まってきます。
小上がり和室はその構造上、空間に必ず段差が生まれてしまうため、家族に60歳以上の高齢者がいる場合は段差の高さに注意し、踏み台などを設けるなどの対策を施すようにしましょう。
・ 物が散らかりやすい
設置場所によっては、小上がり和室が物置部屋になってしまうことがあります。特に小さな子供のいる家庭では、おもちゃや洗濯物が次々と置かれ、足の踏み場がなくなることがあります。
そうならないように、整理整頓に努めなければなりません。ルールを作って、物を置かないか、置いたらすぐに片付けるなどの努力が大切です。素敵なスペースを無駄にしないように注意しましょう。
・ お掃除ロボットの活用が難しい
近年、一般家庭でも広く普及しているお掃除ロボット。ご飯を作りながらリビングの掃除をロボットに任せている家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、小上がり和室には段差があるため、全自動でロボットに掃除を任せることは難しいでしょう。小上がり和室の掃除もロボットに任せたい場合は、リビングと分けてそれぞれで行う必要があります。
・小さな子供の転落に注意が必要
小上がり和室とリビング空間は繋がっているため、両空間の間に設けられた段差に気づかず転落してしまうリスクがあります。特に歩き始めたばかりの赤ちゃんや小さな子供は突然視界が変わって受け身を取れないケースも考えられるため、大怪我に繋がる可能性も否定できません。そのため、小さな子供がいる家庭では柵を設けるなどの対策を施すようにしましょう。
後悔しない小上がり和室を作るためのポイント
最後に、せっかく設けた小上がり和室を後々後悔しないためにも、事前に意識しておきたいポイントについてご紹介します。
・小上がりの高さ
一般的に、小上がり和室の段差は約20cmが標準とされています。つまり、「上り下りがしやすい高さ」は20cm程度だということです。
しかし、立ち座りを想定した場合の適切な高さは30~40cmとされています。また、段差部分に収納を作る場合は、20cmだと収容できる容量が不足するかもしれません。
そのため、小上がり和室の主な用途や家族の年齢層など、様々な観点を総合的に判断して適切な高さを決める必要があります。
・小上がりの広さ
広さに関しては、一般的に2〜4.5畳程度の面積を採用される方が多いようです。例えば2〜3畳の場合は「趣味・勉強・子供の遊び場・洗濯物を畳むなどの家事室」等の活用が考えられますし、3〜4.5畳の場合は「客間・畳ダイニング・寝室」としての活用がイメージされます。
やはり高さと同様、小上がり和室の主要用途を明確にした上で広さを決定することにより、後々の後悔を避けることが出来るでしょう。
・間仕切りの有無
間仕切りの有無は迷う点です。仕切りを設けることでプライベートな空間を作ることができますが、閉めるとリビングとの繋がりは損なわれます。
一方、仕切りがないと部屋全体に圧迫感が生じにくいというメリットがありますが、リビング・ダイニングからの匂いや音が自然と入り込むため、独立した一つの個室としては使いにくいという注意点が挙げられます。
・収納タイプ
小上がり和室を収納スペースとして活用したい場合は、各収納タイプの特徴を把握したうえで適切なタイプを選択するようにしましょう。
【引き出しタイプ】
簡単に物を出し入れすることの出来る収納タイプです。出し入れがしやすいメリットがある一方で、和室が4.5以上の大きさの場合は奥のスペースが使いにくいという点に注意する必要があります。
【天面開口タイプ】
蓋を開けることで収納の中身を見渡せるため、大きな物を入れ出しすることが可能な収納タイプです。ただ、畳の上に物が置いてあると開けることができないため、出し入れの頻度が低いものを収納するのに適していると言えるでしょう。
【跳ね上げタイプ】
畳を床から跳ね上げて開く収納タイプです。開閉部分が大きいため大きな物も入れ出しできますが、天面開口タイプ同様で畳の上に物があると開けられません。
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