洋風でモダンなテイストの家を新築で建てる方が多い昨今ですが、その中でも内装に「和室」を取り入れる間取りはまだまだ人気の根強い印象があります。近年ではシンプルながらもどのようなテイストとも合いやすい「和モダン」というスタイルが浸透していることもあり、そのような特徴を活かした和素材の家具や空間づくりが人気となっています。
そこで今回は、リビング横の続き間にレイアウトしたい「和室」について、メリット・活用事例などをご紹介させていただきます。
リビングの続き間に和室が設けられている理由
皆さんは「和室」と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。例えば、畳・敷居・欄間・障子・床の間などが和室の要素として挙げられるかもしれません。しかし、近年ではそこまで作り込んだ和室ではなくとも、「畳が敷いてある部屋」のことを「和室」と呼ぶケースが一般的になっていると思われます。
和テイストの住宅を除き、近年の和室はリビングの続き間として設けられるケースが非常に多いです。その理由の一つとして挙げられるのが「開放感」です。というのも、部屋同士の仕切りを壁にするのではなく、障子・襖などにすることで、空間を大きく解放できるというメリットがあります。そのため、空間と空間との仕切りをなるべく排除するための工夫としてリビングの続き間に和室を設けるケースが増えているのです。
リビング横に和室を設けるメリット
それでは、リビング横に和室を設けることで得られるメリットは「開放感」以外にどのような点が挙げられるのでしょうか。
・和室ならではの空間として活用できる
和室をリビング横に設けることで、様々な活用が可能となります。例えば、来客がある際のゲストルームとして、子供が遊ぶ空間として、あるいは洗濯物を畳んだりと家事を行う部屋として活用することができます。畳は柔らかく寝そべりやすいため、布団を敷いて寝室として使用したり、昼寝スペースとして利用することもできるでしょう。
普段は仕切りを開いてリビングと繋げることで、開放的な空間として利用しながらも、個別の活用機会では障子・襖を閉めて一つの部屋として使い分けることができます。
・洋風の家のアクセントになる
機能的な面とは別に、やはり和室は洋風テイストの内装におけるアクセントとして活きる面がメリットとして挙げられます。
和室で使われる畳からは、い草の香りが漂い「和」を感じることができます。い草の香りにはリラックス効果があると言われています。また、畳は断熱効果が高く、涼しく落ち着きやすい空間を作りやすい特徴があります。このような空間を洋風の家でも同じように仕上げることは難しいため、やはり和室が一室あることで和室ならではの癒しを暮らしの中に盛り込むことができるようになります。
リビング横の和室の活用事例
それではより詳細に、和室の活用シーンを事例別に分けてご紹介いたします。
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・家事スペースとして活用
床に直接座っても痛くない和室は、家事を行うスペースとして重宝されます。前述したような洗濯物を畳む際に向いているのはもちろんのこと、アイロンをかけたり、裁縫を行うスペースとしても向いています。また、リビング横に和室を設けることで、家事をしながら家族とコミュニケーションが取りやすいというのも嬉しいポイントです。
・仕事部屋として活用
リモートワークが普及した昨今、和室を仕事部屋として活用する方が増えています。別途、書斎を新しく設けることもできますが、働き方が多様化している現在ではそこにコストをかけすぎるのは不安という場合もあるかもしれません。しかし、利便性の良い和室を活用すれば、デスクを置くだけで仕事部屋としてすぐに使えるようになるため、一時的な選択肢として有用ではないでしょうか。もし家族が家にいる際に在宅で仕事をしなければいけない場合は、障子・襖を閉めることで半個室空間にして仕事に集中することが可能です。
・子供部屋として活用
和室は子供が遊ぶ部屋としても活用しやすい空間です。子供が転んでしまっても畳はクッション性があるため、強く打ちつけてしまうような危険性が比較的小さいと言えます。また、リビング横に配置をすれば親が料理や家事をしながら子供の様子を細かく確認をすることができます。
また、赤ちゃんをお昼寝させたり、オムツを交換したりする場所としても和室は最適です。畳には温度・湿度を調整する特性があるため、汗っかきな赤ちゃんも過ごしやすい部屋として過ごすことができます。
・運動部屋として活用
近年では、ジムや教師ではなく家の中でヨガやストレッチを楽しむ人が増えています。ヨガマットを手に入れればリビングルームでもフィットネスを行えますが、畳の部屋ではその必要はなく、そのままフィットネスを楽しむことが可能です。
また、大きなバランスボールや、背中のツボを刺激してくれるマッサージボールのようなものも、畳であればそのまま使用しやすいでしょう。
・客間として活用
和室は突然の来客があった際の客間としても有用です。一般的にはリビングでお客様対応をするのが一般的だと思いますが、急な来訪の場合は物が散財していたり、生活感が出すぎてしまっていて対応が難しい場合もあります。そのような際でも和室であれば普段から物が少なくまとまった空間になっているため、お客様を常時受け入れやすい部屋だと言えます。
・寝室として活用
年齢を重ねると、2階・3階に寝室を設けている場合は階段の上り下りが負担になるかもしれません。しかし、リビング横の和室を寝室として活用することで負担は軽減されます。
また、前述した通り、和室には湿度・温度を調整する特性があるため、夏場の暑い時期にも寝苦しさの軽減を期待できます。
・仏間として活用
仏壇を置きたい方にとっては、和室を利用して専用の仏間を設けることができるのも嬉しいメリットです。
ただし、仏壇の大きさに合わせて設置場所を慎重に選ぶ必要があり、また、宗派によって設置方向も異なるため、間取りや広さも慎重に検討する必要があるため注意しましょう。
・一時的な物置場所として活用
一時的に大きな荷物を保管する必要がある場合や、来客時に物を移動する必要がある場合は、和室に置いて扉を閉めることで、リビングからは見えないようにすることが可能です。
また、小上がりの和室を作ることで、下段に十分な収納スペースを確保することも可能です。このように、和室は臨時の物置場所としてだけでなく、多様な用途に応じた使い方ができます。
かっこいい・おしゃれな和室に仕上げるためのポイント
かっこよくおしゃれな和室に仕上げるためのポイントをご紹介します。
・照明
和室に配置する照明では、素材にこだわる必要があります。洋装の空間では素材のバリエーションが多く、ある程度どのような照明を選んでも空間にマッチしますが、和室の場合は空間と照明の相性をもっと考慮しなければなりません。例えば、和紙・竹などの和室に合った素材の照明を選ぶことで全体の調和がとれるようになるため、多くの参考事例を見ながら真似できるものがないかを確認してみましょう。
・畳
畳の種類は意外と豊富にあるので、好みのものや内装にマッチしたデザインのものがないかを探してみてください。選ぶための基準は様々なものがありますが、例えば「色(素材を活かした素朴な色か、あるいは濃いめの色かなど)」・「縁(縁のアリナシ)」・「形(正方形か変形型など)」・「配置(同じ模様のものを配置するか、あるいは異なる模様やデザインのものをレイアウトするかなど)」などの要素を一つずつ選択することによって、適した畳をピックアップできるようになるかと思います。
・洋室とのバランス
リビングと和室を一体化する場合、デザインの調和が非常に重要です。両方の部屋のデザインが合わない場合、和室を閉じたままにしてしまい、使い勝手が悪くなることがあります。
各部屋のデザインを個別に考えるのではなく、和洋のバランスを取りながらお互いの魅力を引き出すようにデザインを工夫してください。例えば、畳の上にヘリを使用しなかったり、ダウンライトなど洋風のデザインを程よく取り入れたりすることによって、和室とリビングのデザインを調和させることができます。
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