間取りを計画する際、和室の有無について迷うことがあります。和室は、子供の遊び場から神社の間まで、幅広い活用が可能なスペースですが、適切な使用目的を明確にしないままでは、使い勝手が悪くなる可能性があります。
この記事では、和室の具体的な活用例に加え、メリット・デメリットについて解説します。和室の必要性について疑問を持たれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
和室の使い方例
まずは、和室をどのように活用できるかの実例についてご紹介いたします。ご自身の思い描く暮らしと照らし合わせながらご覧になってみてください。
・家事スペースとして活用
和室では畳の上で座って家事をしながらリビングで家族とコミュニケーションを取ることができるため、家事スペースとして非常に便利です。
また、リビングから続くテラスに洗濯物を干す場合、洗濯物を取り込んでたたむまでの動線がスムーズになり、時間を短縮することもできます。生活スペースで家事をすることで、お子さんが興味を持ちやすくなり、自分からお手伝いをしてくれる効果もあるでしょう。
・子供部屋として活用
柔らかい畳は、子供のプレイマットと同じような役割を果たしてくれます。部屋が散らかっていても、仕切りを素早く閉じれば物が隠せますし、お子様が寝てしまっても畳の上で心地よく寝られるでしょう。
そのため、子育て世代では和室をキッズスペースとして有効に活用していることが多いようです。
・来客時の寝室として活用
通常は子供の遊び場として使用していても、ゲストが訪れた場合には即座にゲストルームとして利用できます。畳の上に布団を敷けば、すぐに快適な寝床ができあがるでしょう。
また、畳の上で雑魚寝をすることもでき、子供たちが一緒にお昼寝する場所としても利用できます。子供が具合が悪い場合なども、畳の上に布団を敷いて休ませることで、大人は様子を見ながら家事などをこなすことができ、子供に安心感を与えることが可能です。
・仕事部屋として活用
テレワークの浸透に伴い、急遽自宅に専用のワークスペースを必要とするケースが増えました。最初はリビングで仕事をすることが多かったかもしれませんが、その場合、食事のたびに書類や作業道具を片付ける必要があったり、家族の会話や騒音に気を取られることがあり、集中が難しかったことでしょう。
しかし、リビングに隣接した和室をワークスペースとして使うことで、子供たちの様子を気にしながらも、ふすまを閉めることで静かな環境を維持し、仕事に専念することが可能です。また、食事のたびに仕事道具を片付ける手間も省け、次回の作業がスムーズに始められます。
新築住宅に和室を設けるメリット
近年の住宅においては必須ではない和室を設けることで得られるメリット・効果にはどのようなものがあるでしょうか。代表的なメリットをいくつかご紹介します。
・多目的な用途
前述の通り、和室は基本的に多目的に利用可能であり、特別な家具を必要とせず、柔軟に活用できるのが魅力です。必ずしも何か特定の目的を持たせる必要もありません。
従来の和室のような高度な造作工事が必要なく、畳を取り入れるだけで、空間に個性を付けることができ、多彩な用途に使える自由なスペースを提供します。
・湿度調整として機能する
和室の畳に使われている「い草」の香りは、科学的にもリラックス効果があることが証明されています。さらに、い草はホルムアルデヒドを吸収する特性を持っています。そのため、シックハウス症候群のリスクを軽減したい方や、リラックスできる空間を作りたい方にとって、和室の導入は良い選択肢です。
和室は寝室や子ども部屋だけでなく、家族がリラックスする場所としても最適です。
和室を設ける際の注意点
一方、和室によるデメリット・注意点としては以下のようなものが挙げられます。
・スペースが求められる
敷地面積に制約がある場合、和室を無理に設けることで他のスペースに影響が及ぶことがあります。後で「もっとLDKを広く取れたのに」とか、「もっと収納スペースが欲しかったのに」と後悔しないよう、計画を慎重に立てることが重要です。
・定期的なお手入れが必要
畳は通常、い草で作られており、長期間使用すると自然に毛羽立ちやキレが生じることがあります。また、日常の使用で飲み物などをこぼすと、それが比較的しみ込みやすく、シミが残ることがあります。フローリングと比較して、汚れの跡が目立ちやすいと言えるでしょう。
さらに、湿気がたまりやすく、これがカビやダニの発生を促進する可能性があります。物を同じ場所に長時間置きっぱなしにせず、適度に換気することが重要です。
これらの問題は通常のメンテナンスだけでは解決できず、畳の表面である「畳表」を約10年ごとに張り替える必要があります。畳を長く使用する際には、畳表の定期的な張り替えを覚悟しておくべきです。
・重い家具は置きにくい
和室を使う際のデメリットの1つは、重い家具を置くと畳がへこんでしまうことです。軽い家具では問題ありませんが、棚やテーブルなどの重たい家具を配置すると、畳に凹みができる可能性があります。
この凹みは、部屋を模様替えした際に目立つことがあり、気になることもあるでしょう。
和室を設けても後悔しないためのポイント
和室を設けるメリット・デメリットについて紹介しましたが、いざ採用を決めた際に後悔しないために意識しておきたいポイントについても解説します。
・利用目的をイメージして扉の有無を決定する
和室に扉を取り付けないことで、リビングとの一体感を保つことができます。扉を取り付けずにフラットな畳スペースを作るだけでも、和の空間を存分に楽しむことができるでしょう。
ただし、和室に扉を取り付けることには、和室内での作業に集中できる、寝室として活用しやすくなる等のメリットもあるため、活用イメージを具体的にして扉の有無を決定することが重要です。
・「和モダン」にしてリビングとの一体感を演出する
現代では、畳やふすまのデザインに多彩な選択肢があります。特に、リビングの雰囲気に合わせた「和モダン」な和室が人気を集めています。
例えば、半帖畳を市松模様にアレンジすることや、おしゃれな壁紙を取り入れることで、自分好みのコーディネートが可能です。
関連記事:おしゃれな和室のポイントとは?メリットや注意点と併せて解説します
・和紙畳を検討する
「和紙畳」とは、和紙をこよりのように巻いてから樹脂でコーティングした畳のことを指します。このタイプの畳は、従来のい草畳のデメリットを解消するために開発され、和室を持ちたい人々に非常に人気があります。近年では、メンテナンスが簡便であるため、い草畳よりも和紙畳に注目が集まっているのです。
い草畳はダニに弱いという課題がありますが、和紙畳はその点で優れています。また、2つの畳の感触も異なります。い草畳は柔らかい手触りですが、和紙畳はやや硬めです。い草畳は天然素材を使用しているため、柔らかい印象ですが、和紙畳は樹脂でコーティングされているため、やや硬さがあります。
さらに、製造プロセスが異なるため、価格にも大きな違いがあります。和紙畳は初期費用が高めであるため、予算に合わせて選択する際に調整が必要です。
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