新築でお家を建てる際、もしくは塗装や重ね張り、張り替えなどのリフォーム工事を行う際、「ツートンカラー」を試す絶好の機会だと思う方も多いはずです。しかし、色の組み合わせを間違えて、派手な仕上がりになってしまうことに抵抗がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ツートンカラーの外壁の場合、組み合わせた色がうまく調和されないと、好ましくない仕上がりになってしまいます。
そこで今回は、外壁をおしゃれなツートンカラーに仕上げるために抑えておきたい基本知識とこだわりたいポイントについてご紹介いたします。ぜひ、参考にしてみてください。
ツートンの外壁とは?
2つの異なる色合いで構成された外壁のことを意味します。窓枠や屋根は別として、外観の大部分に2つの色相を並べられているのがデザイン的な特徴です。
ツートンカラーを検討する際、他の物件より目立って浮いてしまうのではないかと心配になる方もいるかと思いますが、実はツートンカラーの外壁はよく見られる建築デザインとして街中にあふれています。
また、ツートンカラーを用いるメリットとして、穏やかでナチュラルな印象であったり、個性的で独創的な印象であったりと、色の組み合わせによって比較的自由に印象を変えられる点が挙げられます。単色のベースカラーだけでは物足りないという方は、ツートンカラーの外壁を採用することで、おしゃれな美観を演出することが可能です。
以下にツートン外壁で使う色の呼び分けをご紹介します。
・ベースカラー
外壁の中で最も面積が広く、主要に用いられる色です。広い面積を占めるため、住宅における見た目的な印象に大きな影響を与えます。メインカラーと呼ばれることもあります。
・アソートカラー
アソートカラーはメインの色相に続いて、全体の20~30%を構成します。バルコニーやデッキなど、住宅から出っ張った目立つ場所に用いられることが多いです。ベースカラーと調和した色を選ぶようにしましょう。
・セパレートカラー
ベースカラーとアソートカラーの境界として機能する色がセパレートカラーです。塗り分け方法や好みによっては用いられないこともあります。
定番の塗り分けパターン
住宅に用いられるツートンカラーの外壁には様々な塗り分けパターンがあります。ここでは、主要な塗り分け方法として3つのパターンについてご紹介します。
・階層で分ける
外壁のツートンカラーで最も一般的なのは、上階と下階を区別して異なる色で塗り分ける方法です。下の階を濃い色でスタイリッシュに、そして上の階を膨張効果のある明るい色にすることで、立体感が生まれ、バランスのとれた雰囲気に仕上げやすくなります。
・垂直に分ける
線を引くように、縦方向に異なる2色の色を塗り分ける方法もあります。水平に上下で塗り分ける場合と比較してシックな色合いが似合うため、引き締まった外観を好む方にはおすすめです。付近にあるサッシなどとの配色バランスも考慮するようにしましょう。
・凹凸で分ける
同じ外装部材を使用していたとしても、凹凸が生じてしまうということは少なくありません。そこで、凹凸にツートンカラーを施すことで、その差異を最小限に抑え、外壁全体の魅力を向上させることができます。
ツートン外壁のメリット・デメリット
外壁をツートンカラーにしたいと思っても、一度そのメリット・デメリットを把握しておくことをおすすめします。どちらも知った上で、本当にツートンカラーを採用するのか否かを決めるようにしましょう。
・メリット
落ち着いた雰囲気の見た目が好みの人には、単色のベースカラーを用いる方が適しています。しかし、多くの人がツートンカラーの外壁を好むのは、目の錯覚を利用してメリハリを持たせたり、実際の面積よりも広く・大きく・高く見せることができるためです。
特に建物が立ち並ぶ中で自らの住宅を目立たせたい場合は、立体感を表現しやすいツートンカラーという手法は向いていると言えるでしょう。
・デメリット
ツートンカラーの外壁における最大のデメリットは、外壁の見た目を際立たせようとすると、まとまりのない印象の仕上がりになりやすいという点です。
特に自分の好みの色だけを盛り込んでしまうと、ちくはぐでカッコ悪い印象のカラーリングになってしまいます。そうならないためにも、これから紹介する「同系色を用いる」ということや「3色以内に抑える」ということを念頭に入れて、バランスの良い配色を心がけるようにしましょう。
ツートン外壁をおしゃれに仕上げるためのポイント
最後に、ツートン外壁をおしゃれに仕上げるためにこだわりたい3つのポイントについてご紹介します。
・同系色を使う
外観に対してちぐはぐな印象を与えないためには、「グレーと黒」「ベージュとブラウン」のように、似たような色調のツートンカラーを選択することをおすすめします。
関連記事:外壁がブラウン系のお家が可愛い!外壁をおしゃれにデザインするコツとは?
・3色以内にまとめる
洗練された統一感のある外壁に仕上げるためには、屋根・窓枠などの要素も含めて3色以内におさめたいものです。特に屋根には外壁で用いたツートンカラーの内の1色を採用することによって、まとまり感を出しやすくなります。
外壁に4色以上を使うと調和がとれなくなり、ごちゃついた印象に仕上がってしまうため、必ず3色ルールを意識するようにしましょう。
・配色比率を考慮する
もう1点、考慮しておきたいのが配色比率についてです。ツートンカラーにする場合、一般的にはメインカラー、アソートカラー、そしてアクセントカラーの順に優先順位を設けて配色比率を変えます。
具体的には、70:20:10(メイン:アソート:アクセント)の比率を意識することで、全体的なバランスが美しく見えると言われています。
・淡い色味を検討してみる
3色以上を使う場合は、白やクリーム色、淡いピンク、薄いグレーなどの落ち着いたカラーを取り入れると良いでしょう。個性的になりすぎないように、最低でも1色は落ち着いたカラーを使用することをおすすめします。
・セパレーションカラーで引き締め効果を狙う
同じ系統のカラーを使用しても、上手に調和しない場合や、配色のコントラストが強すぎる場合には、2つの色の間にセパレーションカラーを導入することがおすすめです。
境界となる箇所に、幕板や雨樋などを使用して別のカラーラインを作ることで、効果的な視覚効果を生み出し、魅力的なイメージを作り出すことができます。
・付帯部とのバランスを考慮する
外壁塗装において、多くの人は外壁の色のみに注目してしまいがちですが、付帯部分の色合いも忘れずに確認することが重要です。軒天井や雨樋などの部分の色を確認し、同系色で塗装するか、またはセパレーションカラーを使用するかなど、塗装業者と相談することをお勧めします。
・周囲との調和を意識する
住宅単体を見て満足のいく仕上がりになっていたとしても、周囲との調和がとれていないと悪目立ちしてしまう可能性もあります。
特に周囲の住宅が黒やグレー等の落ち着いた色を採用しているところが多い中で、赤・青等の原色を使うのは慎重に検討した方が良いでしょう。
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