
オープンクローゼットは扉がないため、視覚的な広がりや衣類の出し入れのしやすさが魅力です。
一方で、実際に導入後「ホコリが気になる」「収納が丸見えで落ち着かない」などの後悔を抱える方も少なくありません。
本記事では、オープンクローゼットの失敗例や対策法、そして扉なしならではのメリットを詳しく解説します。
快適な収納スペースづくりに役立ててみてください。
オープンクローゼットとは
オープンクローゼットとは、クローゼットに扉を付けず、収納スペースを開放した状態で利用するスタイルです。
視界を遮るものがないため部屋を広く感じやすく、ハンガーにかけた衣類を一目で把握できる点が特徴に挙げられます。
ウォークインタイプや壁面収納タイプなど、形状はさまざまですが、共通して扉がない分だけ通気性が良く、家事の効率も高まりやすいといわれています。
ただし、ホコリや見た目の問題が生じやすいなど、一定のリスクがあることも事前に把握しておくと安心です。
クローゼットを扉なしにするメリット

オープンクローゼットにはデメリットもある反面、扉がないことによるメリットも見逃せません。
特に家事の効率化や空間設計の自由度アップは、多くの方が実感している利点です。
以下では、扉なしクローゼットのメリットを5つ取り上げます。
関連記事:ファミリークローゼットは後悔する?メリット・デメリットや後悔しないためのポイントについて解説します
・通気性が良い
衣服を保管するクローゼット内は、湿気がこもり菌が繁殖する可能性が高くなります。湿気をため込んだまま衣服をしまっておいたり、クローゼット内に衣服を詰め込んだりすると、湿気がたまってカビが発生することもあります。
そのため、扉風通しを良くするためにクローゼットの扉を定期的に開けることが必要です。しかし、扉がなければこの手間を省くことができます。扉がない場合は空気が入れ替わるため、湿気がたまることを防ぎ、カビや悪臭の対策になります。
・家事効率が良くなる
両手で洗濯物を運んでいると、扉を開けたり閉めたりするのが難しくなります。そのため、洗濯物を一旦下に置いて扉を開ける必要があります。
しかし、扉がない場合は、両手で荷物を持っていてもクローゼットに入ることができるため、家事の効率が向上します。また、ルンバを使用する家庭では、扉がないと掃除前に扉を開け閉めする必要がなくなり、スムーズに掃除を行うことができるようになるでしょう。
・扉周辺のデッドスペースがなくなる
ウォークインクローゼットの扉の種類によっては、スペースの無駄が生じることがあります。しかし、扉がない場合はスペースの無駄を心配する必要はありません。例えば、開き扉の場合、扉の周りに物を置くことができないため、使い勝手が悪く感じられることがあります。スペースが限られている場合は、スライド式にするか、扉を取り外す方法を検討することもおすすめです。
・扉で指を挟む危険性がなくなる
開き戸や折れ戸は指を挟む危険性があるため、小さなお子さんがケガをしやすいリスクを抱えています。引き戸でも扉を引き込む側に手を挟んだり、吊り下げタイプは下部にすき間があるため、完全に安全とは言えません。
もちろん、子供にとって完全に安全な扉というものは存在しませんが、扉を取り付けないことでこのようなケガのリスクを減らすことができます。
・施工費用を抑えられる
オープンクローゼットには、扉の材料費や取り付け工賃が不要なため、コストを抑えることができるという大きなメリットがあります。特に、幅の広いクローゼットほど材料費が高くなるため、扉なし仕様の節約効果が大きくなります。扉の代金を浮かせた分、棚板やハンガーパイプなどの充実した収納アイテムを追加することで、より使いやすい収納空間を実現することが可能です。
メリット①通気性が良い
扉で密閉されないため、クローゼット内部に湿気がこもりにくい特徴があります。
カビやダニの発生リスクを下げられ、衣類を清潔に保ちやすい点は大きなメリットです。
梅雨や冬場など空気の入れ替えが不十分になりがちな時期でも、風通しが良いとニオイや菌の繁殖を防げる可能性が高まります。
メリット②家事効率が良くなる
扉を開閉する手間がないため、洗濯物をしまう際の動作がスピーディーになります。
忙しい朝でもさっと服を選んで取り出せるので、出勤・通学前の時間短縮に役立ちます。
普段から衣類を見渡せる構造は、服の管理もしやすく「着なくなった服」を見落としにくい点も利点の一つです。
メリット③扉周辺のデッドスペースがなくなる
クローゼット扉の開閉に必要なスペースを確保しなくて良いぶん、部屋のレイアウトを自由に組み立てやすくなります。
家具やベッドの配置を考える際も、扉の動線を考慮せずに済むため、狭い部屋でも収納量を確保しやすいです。
デッドスペースが削減されることで、室内が広々とした印象になり、インテリアの幅が広がります。
メリット④扉で指を挟む危険性がなくなる
小さなお子さまやペットがいる家庭では、扉の開閉で手やしっぽを挟むリスクが心配されます。
オープンクローゼットなら、そもそも扉が存在しないため、こうしたケガの危険を大幅に減らせます。
また、扉を固定するレールや金具も不要となり、部品の劣化や破損によるメンテナンス費用を抑えられる点も利点です。
メリット⑤施工費用を抑えられる
扉本体やレール、取っ手などの材料費と工事費が不要になるため、全体的な施工費を安くできる場合があります。
余裕ができた予算を他の設備や内装のグレードアップに回せるのは、大きな魅力です。
簡易的なカーテンで代用する方法もあり、インテリアや好みに合わせて柔軟にアレンジできます。
クローゼットを扉なしにするデメリット

一方、クローゼットに扉をつけないことで後悔する場合もあります。オープンクローゼットのメリット・デメリットを把握したうえで適切な判断をするようにしましょう。
・物にホコリが付きやすい
ウォークインクローゼットに扉をつけずに使うと衣服の出し入れはしやすくなりますが、衣服にホコリがつくことがデメリットとなり得ます。
また、クローゼットの場所によっては、日光が入り込んでしまい、衣服やアイテムが色褪せてしまう可能性もあります。特にお気に入りのアイテムであれば、扉なしにしたことを後悔してしまうきっかけになるかもしれないため注意が必要です。
・防虫剤の効果が下がる
収納スペースに扉をつけない場合、密封されないため防虫剤の効果が低下してしまいます。しかし、先に述べたように、通気性が保たれるため湿気を好む虫に対する対策はできるという側面もあります。
加えて、ウールやシルクなど虫害に特に弱い衣類は、収納ケースに入れて、防虫剤を使用することをおすすめします。
・片付いていないとごちゃついて見える
クローゼットの中が見える状態であれば、収納を常に整えておく必要があります。整理整頓がされていないと、部屋全体が乱雑に見えてしまうため、特にクローゼットのある部屋に来客がある場合には、気を配る必要があるでしょう。
・冷暖房効率が下がる
寝室などの場所で扉をなくしてしまうと、空調の効きが悪くなってしまうデメリットがあります。
もちろんウォークインクローゼットは、洋服などを出し入れするだけであるため、暖めたり冷やしたりする必要はありません。とはいえ、無駄に電気代がかかってしまう可能性があるので、後悔をしてしまうかもしれません。
オープンクローゼットで後悔しないための対策
デメリットがあるからといって、オープンクローゼットをあきらめる必要はありません。
ホコリや虫害、見た目の問題を対策し、実用性を高める方法は多数存在します。
下記では、後悔を軽減するための代表的な対策を4つに分けてご紹介します。
場所を分ける
衣類や小物を使用頻度や季節によって配置場所を分け、ゾーニングするのが有効です。
よく使うアイテムは取り出しやすい位置に、シーズンオフの服やバッグは奥や上段など、できるだけホコリや目立ちにくいエリアに仕舞います。
収納ボックスや仕切り棚を用意して「見せる部分」と「隠す部分」を明確に分けると、整理整頓がスムーズです。
目隠しを設置する
扉の代わりにカーテンやロールスクリーンなどで簡易的に仕切りを作ると、ホコリや視線をある程度ブロックできます。
カーテンレールを天井に取り付けるだけでも、部屋の一体感を損なわずに見栄えを整えやすいです。
完全な密閉ではないため防虫剤の効果は大きく向上しませんが、ごちゃつき感の軽減には十分な効果が期待できます。
衣類にカバーをかける
主にホコリや虫食いリスクが高い衣類には、不織布や防虫機能付きのカバーをかける方法があります。
特にスーツやコートなどの大切な服は、カバーをするだけで汚れや虫害を大幅に抑えられます。
頻繁に着る服はカバーなしでも問題ありませんが、使う頻度が低いアイテムはまとめてカバーをかけておくと管理しやすいです。
物や棚を下に置かない
床面に物を直置きすると、湿気やホコリが溜まりやすく掃除しにくいです。
キャスター付きの収納ケースや脚付きの棚を活用すれば、床との間に隙間が生まれ、掃除機やモップを通しやすくなります。
オープンクローゼットは気軽に出し入れできる反面、床の清掃頻度が高くなるため、下部に空間を作ると管理負担を軽減できます。
扉なしのクローゼットをうまく使うためにできること

実際にオープンクローゼットを採用する際は、初期設計でいくつかのポイントを押さえると使い勝手が向上します。
特に入口の向きやコンセントの配置は後から変更しにくいため、事前によく検討することが重要です。
以下では、導入時に配慮したい3つの工夫を解説します。
クローゼットの入り口の向きに気をつけて施工する
扉がないぶん、部屋の正面からクローゼット内部が丸見えになる配置だと、視線や生活動線にストレスを感じやすいです。
壁や廊下に対して少し角度をつけるなど、部屋の入口から直接見えづらい向きに設置すると、ごちゃつき感を軽減できます。
採光や風通しのルートも考慮し、見た目と機能性をバランスよく保つレイアウトを目指すことが大切です。
出し入れが少ない衣類等にはカバーをつける
フォーマルウェアや滅多に着ないコート類は、不織布カバーをかけるだけでもホコリや虫害を防ぎやすくなります。
特にウール製品やシルク素材は虫食いのリスクが高いため、適切なカバー選びが衣類の寿命を伸ばす秘訣です。
普段使いの衣類はむしろカバーなしの方が取り出しやすいので、アイテムごとに使い分けるのがポイントです。
コンセントを設置する
掃除機を頻繁にかける必要があるオープンクローゼットだからこそ、近くにコンセントを設置しておくと便利です。
アイロンや衣類スチーマーを使う際も、わざわざ部屋の外へ移動しなくて済むため、家事の効率化につながります。
クローゼットの奥行きや広さに合わせてコンセントの数や位置を検討すれば、後から配線が煩雑になる問題を回避できます。
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私たちファミリアはつくば市・土浦市・牛久市・水戸市を中心に茨城県で注文住宅の建築を請け負う工務店です。ナチュラルなおうち、モダンでスタイリッシュなおうち、あたたかみのあるおうちなど、幅広いお家を施工しています。また、「おしゃれな家は『高く』ない。」という理念のもと、ローコスト平屋住宅を提供しています。
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