吹き抜けがある家は寒い?その理由と有効な対策について紹介します

吹き抜けがある家は寒い? その理由と有効な対策について紹介します

開放的な空間と高天井の「吹き抜け」を持つ住宅は、多くの人にとって魅力的です。ただし、吹き抜けには「寒さ」や「暖房の効きにくさ」といった課題が伴うとの情報もあり、その点が心配材料となることでしょう。確かに、吹き抜けは足元が冷たく感じやすい構造を持っていますが、適切な理解と対策を講じて設計すれば、冬でも快適な室温を維持する吹き抜け付きの住宅を建てることができます。

そこで今回は、吹き抜け付きの住宅を快適に保つためのポイントや有効的なアイテムについてご紹介します。新住宅に吹き抜けを検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

吹き抜けとは?

吹き抜けとは?

「吹き抜け」とは、建物の天井や屋根の一部または全部を作らず、建物の2階層以上を縦につなげた空間のことを指します。吹き抜けは、風が吹き抜けて通ることを意味する「ふきとおし」という言葉が語源とされており、主にリビング・玄関・階段等の空間において採用されることが多いものです。

関連記事:玄関に吹き抜けを設けるのはあり?メリット・デメリットと対策方法を解説します

・吹き抜けのメリット

吹き抜けを設けるメリットには以下のようなことが挙げられます。

【開放的な空間】
吹き抜けは広々とした開放的な空間を作り出すことが可能で、1階と2階のスペースが連続しているため視線の抜けが良くなります。

【自然光の利用】
吹き抜けにより、自然光が室内によく入りやすくなり、特に冬季でも明るい部屋を作ることができます。

【視覚的な広がり】
吹き抜けがあると、狭小住宅でも視覚的に広く感じられます。

【風通しの良さ】
吹き抜けにより、風が自然に通り抜けやすくなり、換気や空気の循環が良くなります。

・吹き抜けのデメリット

一方、吹き抜けを設けることによるデメリットや注意点もあります。

【冷暖房の効きが悪くなる】
吹き抜けがあると、冷暖房の効果が低下する場合があり、熱や冷気が吹き抜け空間に逃げやすくなるため、エネルギー効率が悪くなる可能性があります。

【音やにおいが伝わりやすい】
吹き抜けは階段や廊下からの音やにおいが他の部屋に伝わりやすい傾向があります。そのため、プライバシーへの配慮が必要です。

【掃除やメンテナンスが手間】
吹き抜けの高い天井や壁は掃除が難しく、メンテナンスが手間がかかる場合があります。

【光熱費が高くなる】
吹き抜けのある家は、広い空間を冷暖房する必要があるため、光熱費が高くなる可能性があります。

吹き抜けが寒いと感じる理由

吹き抜けが寒いと感じる理由

吹き抜けを導入するかどうか検討する際、WEB検索で検索をかけてみると「吹き抜け 寒い」というキーワードをよく見かけるものです。多くの人々が気にしている吹き抜けの寒さの問題ですが、実際のところはどうなのでしょうか。

「吹き抜け=寒い」と感じる理由の大部分は、『コールドドラフト』という現象に関連しています。これは、暖かい空気が上に上がり、冷たい空気が下に滞留するという現象です。吹き抜けの場合、天井が高いために、どうしても温度差が発生し、家族が過ごす1階部分が寒くなる結果を招くことがあります。

さらに、吹き抜けによって空間が広がるため、部屋全体に暖房が行き渡るまでに時間がかかることもあります。特に暖房装置の能力が空間の広さに対して不足している場合、寒さを感じやすくなることがあるのです。

吹き抜けの家を暖かくするための対策方法

吹き抜けの家を暖かくするための対策方法

吹き抜けの家を暖かくするために、家づくりにおいて工夫できるポイントをご紹介いたします。

・家の気密性/断熱性を高める

最初に考慮すべき重要な点は、住宅の断熱性と気密性を向上させることです。工事の際に、高性能な断熱材を屋根や壁に使用することで、外部と内部の気温の遮断を確保し、冬の寒さを軽減できます。

また、窓の気密性も重要です。実際に住宅内で最も熱が逃げる箇所は窓です。樹脂製の窓枠や二重窓を導入することで、気密性と断熱性を両立させましょう。ただし、適切な窓の大きさを選ぶことも大切です。過度に大きな窓は外部の気候影響を強く受けるため、バランスを考えた窓の設計が必要です。

・空気を循環させる

部屋内の冷気が下に滞りやすく、特に1階がリビングなどの部屋で、2階が吹き抜けという構造では、1階部分に寒い空気がたまり、暖房をしても全体がなかなか暖まらないことがあります。このような場合におすすめなのが、室内の空気循環を助ける「シーリングファン」の設置です。

シーリングファンは、室内の空気を循環させる電気装置で、吹き抜けのある部屋に取り付けることで、室内の空気を均一に循環させ、暖房の効率を高める効果があります。また、空気の循環によって冷たい空気が床下に滞るのを防ぐので、足元の冷えも軽減されます。

・採光を調整できるようにする

吹き抜けは主に採光を目的として設けられることが多く、高い位置に窓を配置して日光を取り込みます。しかしこのような設計では、日光により室温が上昇することがあります。また、冬季には冷たい窓ガラスから冷気が伝わり、室温を下げてしまうこともあります。

対策として、のれんやカーテンを吹き抜け部に取り付けることが考えられます。吹き抜け窓は高い位置にあることが多いため、使い勝手の良いロールスクリーンを取り付けるのも良い方法です。これにより、日光の影響や冷気の侵入をコントロールし、室温を快適なレベルに保つことができます。

・床暖房を取り入れる

吹き抜けの部屋は足元が冷えやすいため、床暖房が有効です。床からの伝導熱と輻射熱により快適な暖かさを提供し、乾燥しづらい環境を維持します。主に長時間滞在するリビングなどに適しています。

床暖房は、温水式と電気式の2つのタイプがあります。温水式は迅速な暖房と低光熱費が魅力ですが、導入費用が高い点に注意が必要です。一方、電気式は初期費用が抑えられ、状況に応じて選ぶことができますが、温まりに時間がかかり、光熱費が高くなるデメリットがあります。

吹き抜けの寒さ対策に有効なアイテム

吹き抜けの寒さ対策に有効なアイテム

前述の対策方法としてもご紹介しましたが、寒さを防ぐためにはアイテムを活用することも重要です。

・シーリングファン

天井に設置されるシーリングファンの掃除を容易にするためには、電動で1階まで降ろせる昇降式のファンがおすすめです。このタイプのファンはワイヤーで吊るされており、手元で簡単に下げることができるため、掃除が便利です。さらに、故障時にも高所作業費用を節約できるため、メンテナンスの点でもメリットが大きいでしょう。

・保温シート/クッションシート

窓ガラスに保温シートを貼ることで、窓からの冷気の伝達を減少させる空気層を形成できます。同様に、床にクッションシートを敷くことで、足元からの冷気の影響を抑え、暖かな感触を保つことが可能です。

・隙間風ストッパー

室内と外部、または暖房の設置されていない通路といった場所では、温度の差が大きく、窓やドアの隙間から冷気が入り込む可能性が高ま流ため、隙間風ストッパーを使用して冷気の侵入を遮断することで、暖房の効率向上が期待できます。

・ロールカーテン

納戸や使用されていない子供室、和室など、住宅内には通常使用しない場所も存在します。こういった部屋を無駄に暖めることは暖房効率を低下させる可能性があるため、閉じておくことで部屋を効果的に温め、電力消費を節約できます。

季節や状況によっては換気や利用を希望することもあるでしょう。このようなニーズに応えるため、引き戸やロールカーテンなど、必要に応じて使える区切りを採用することで、多様な温度管理が可能です。

「素敵な吹き抜けのあるお家を建てたい」と検討中のお客様は、ファミリアへお問合せください

私たちファミリアはつくば市・土浦市・牛久市・水戸市を中心に茨城県で注文住宅の建築を請け負う工務店です。ナチュラルなおうち、モダンでスタイリッシュなおうち、あたたかみのあるおうちなど、幅広いお家を施工しています。また、「おしゃれな家は『高く』ない。」という理念のもと、ローコスト平屋住宅を提供しています。

もしご興味を抱いていただけましたら、ぜひご来場予約をお願いします。LOWコストHIGHセンス住宅のご提案をさせていただきます。

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監修者

池田 恵子

ファミリア株式会社 取締役

略歴

  • アトリエファイ建築研究所
    (建設・現場監理に従事。)
  • 池田林業株式会社
    (設計・現場監理に従事。後に取締役に就任し現在に至る。)

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