サンルームは洗濯物を干すスペースや遊び場として便利ですが、無闇に設置することで後悔することもあります。後悔を避けるために、事前にサンルームのメリットとデメリット、対策方法をしっかりと把握しましょう。
サンルームとは?
サンルームは、日光をたっぷり取り入れるために、大きな窓やガラス張りの屋根を持つ部屋のことを指し、通常はリビングの外に追加されることが多いです。
鉄線で強化されたガラスや透明なポリエステル板などが一般的な素材として使用されます。サンルームは、時に「コンサバトリー(温室の本来の意味)」とも呼ばれることもあります。
・ガーデンルームやテラス囲いとの違い
サンルームを検討する際、「ガーデンルーム」や「テラス囲い」といった用語を耳にされたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
ガーデンルームは、屋根と壁を備えたスペースで、大きな扉が設置されており、庭などへのアクセスが容易です。この点がサンルームとの主な違いであり、自宅でバーベキューやガーデニングを楽しむのに適しています。
一方、テラス囲いは、テラスの周囲をガラスで囲んだ構造を指し、サンルームと異なり、基礎部分はテラス屋根の柱と補助柱のみで構成されています。気密性は低いですが、晴れた日には日差しを取り入れ、雨や風から保護できるため、物干しスペースとして利用できます。
後悔しやすいサンルームのデメリット
ネットでサンルームを検索すると「後悔」というネガティブな関連語句が表示されます。実際にサンルームを設けたお家では、どのような点にデメリットを感じているのでしょうか?代表的なものをいくつかご紹介します。
・意外と洗濯物が乾きにくい
「サンルームなのに予想よりも洗濯物がなかなか乾かない」という不満の声は、意外にもよく聞かれます。というのも、サンルームは晴れた日には素晴らしい乾燥環境を提供しますが、太陽光が不足する曇りや雨の日、寒い冬の日には効果が薄いことがあるからです。
特に天気の悪い日でも洗濯物を効率的に乾かすためには、換気を促進し風を取り入れる工夫や、サンルームに適した空調設備を導入することが役立つでしょう。
・掃除が大変
サンルームはガラスが多く使用されているため、汚れが目立ちやすいという課題があります。ガラスが汚れていると外からの景観が損なわれるだけでなく、室内からも美しさが損なわれます。そのため、定期的な掃除が欠かせません。
ただし、ガラスの面積が広いため、掃除には時間と手間がかかり、徐々に面倒に感じることもあるでしょう。掃除が難しい場合は、専門業者に依頼する方法も一つの選択肢です。
・外気温の影響を受けやすい
サンルームは、周囲がガラスで囲まれた特徴的な部屋で、その構造上において気温に関する課題が存在します。例えば、暑い夏になると、サンルーム内は日中には非常に暑くなり、通気性が不足しているため、熱中症のリスクが高まります。窓を開けても風通しが悪い日には、熱さを和らげることが難しいこともあります。
対照的に、冬になるとサンルーム内は他の部屋よりも寒くなりがちで、特に洗濯物を干すなどの活動を行う際には、暖かい服装が必要となります。
・雨漏りのリスクがある
気密性や水密性の低いタイプのサンルームを選ぶ場合、雨漏りのリスクが高まることがあります。特に梅雨や台風の季節など、雨が多い時期には注意が必要です。設置費用を節約することは理解できますが、快適な環境を確保するために、一定の気密性が確保された製品を選ぶことをお勧めします。
また、サンルームは通常の室内空間に比べて遮音性が低い傾向があり、雨音がうるさいと感じることがあります。雨音が気になる場合、サンルームに隣接した部屋に遮音用のシャッターを設置するなど、対策を検討することができます。
・固定資産税がかかる
無視できないサンルームのデメリットの1つが、固定資産税の増加です。通常、サンルームの設置には工事費用がかかり、大きさやグレードによっては約100万円前後かかることがあります。これにより、建物の面積が増加し、固定資産税の課税対象になります。サンルームの固定資産税は年間数千円程度ですが、活用しない場合は無駄な支出になる可能性があるため、注意が必要です。
また、既存の住宅が完成した後にサンルームを設置する場合、建ぺい率をオーバーする可能性があるため、違法建築物になるリスクがあります。さらに、登記の申請費用が約10万円かかることも考慮しなければなりません。これらの点に留意して、サンルームの設置を検討することが重要です。
サンルームのメリット
一方、サンルームを設けることで得られるメリット・効果もあります。
・雨の日でも洗濯物を干せる
共働きのご家庭などでは、朝に洗濯物を外に干しても夜まで取り込めないことがあります。突然の雨に悩まされて洗濯物や布団が濡れてしまうこともあるかもしれません。このような状況に対処する手段として、サンルームの設置はおすすめです。
サンルームは周囲をガラスで囲んでいるため、突然の雨でも洗濯物や布団が濡れる心配はありません。また、帰宅が遅くなっても洗濯物が冷たくなることなく、外出のタイミングを気にせずに済みます。
・子供やペットが遊ぶ空間になる
「サンルームって、基本的に物干し部屋のようなもの?」と考える人もいるかもしれませんが、実はサンルームはその用途を超えてさまざまな活用方法があります。
たとえば、広めのサンルームを作れば、子供たちやペットの遊び場として楽しむことができます。アイデア次第で、サンルームは日常の生活をより楽しく、便利にする場所になるでしょう。
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・家庭菜園を楽しめる
サンルームを所有していると、ガーデニングを手軽に楽しむことができます。
サンルームは温室のような環境を提供するため、植物の育成に最適です。悪天候時には、外で育てている植物を一時的にサンルームに移動させることができます。さらに、水に強く、土汚れを簡単に取り除ける床材を選ぶと、植物の管理がさらに便利になります。
サンルームを後悔しないための対策
サンルームのメリット・デメリットについて紹介しましたが、実際に導入が決まった際に後悔しないために意識しておきたい対策について言及します。
・洗濯物が乾きやすい環境をつくる
洗濯物がなかなか乾かないという後悔を避けるためには、サンルーム内で洗濯物が迅速に乾く環境を整えることが重要です。この際、注意すべきポイントはサンルーム内の「換気」や「空気の流れ」です。洗濯物は太陽光だけでなく、空気の流れによっても早く乾きます。
ユニットタイプのサンルームを選ぶ場合、サンルームに「換気フレーム」や「換気窓」を設けることで、空気の流れを生み出し、曇った日でも洗濯物が効率的に乾きやすくなります。さらに、サンルーム内にコンセントを設置して、サーキュレーターや除湿機などを使えるようにすることも役立ちます。
これらの対策を実施することで、洗濯物が迅速に乾き、室内干しに伴う不快な臭いの発生を防ぐことができます。
・屋根の素材にこだわる
サンルームを快適に利用し続けるためには、サンルームの屋根素材に注意を払うことが重要です。サンルームは夏場に高温になりがちであるため、屋根には熱を遮断しやすい素材を選びましょう。
一般的には、熱線を吸収しにくいポリカーボネート素材がよく採用されています。ポリカーボネートは厚みが同じガラスに比べて約200倍の強度を持ち、飛行機の窓などでも使用される耐久性の高い素材です。また、外観がガラスに似て透明性があるため、サンルームの屋根に適しています。
さらに、熱線を吸収しにくいポリカーボネートを改良した製品も存在し、汚れが付きにくくなっています。サンルームの屋根部分の清掃は手間がかかるため、このような改良型素材を選ぶことをおすすめします。
・目隠しを施す
サンルームの設置時に、周囲からの視線を気にせず快適に使うためには、いくつかの方法があります。一つは、壁面にすりガラスを採用することです。これにより、明るさを損なわずにプライバシーを確保できます。特に、洗濯物を干すスペースなどでは効果的な選択です。
一方で、庭の景色を楽しみながらリラックスしたい場合は、ガラスをクリアに保ちつつ、庭に植栽や高い塀、レースのカーテンなどを設けて、視線を遮る方法も有効です。これにより、快適な環境を維持しつつ、プライバシーを確保できます。
・サンルームの用途を明確にしておく
設置費用や固定資産税を削減する方法は限られており、基本的には部材費や人件費がかかるため、これらの費用を大幅に削減する手段はありません。固定資産税についても、減額の方法は存在しません。
したがって、サンルームを設置する際に重要なのは、その目的を明確にすることです。明確な目的を持つことで、サンルームを有効に活用し、高い費用をかけた価値を実感することができます。高額な投資にも関わらず、便益を享受することで、費用対効果に満足できるでしょう。
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