注文住宅のトイレの選び方は?トイレの種類や失敗例も紹介

注文住宅ではトイレも便器から壁紙まで自由に選ぶことができます。

ふだんよく使うけれどあまり意識することのないトイレ。この記事では、トイレにはどのような種類があり、どう選べばいいのかお伝えします。失敗例もご紹介しますので、参考にしてください。

トイレの種類

トイレにはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、一般に多くみられる3つの種類をご紹介します。

組み合わせトイレ

組み合わせトイレとは、「便器」と「便座」を自由に組み合わせることが出来るトイレです。
一般に最も多く流通しているトイレが組み合わせトイレです。

組み合わせトイレを選択するメリットは以下の通りです。

  • ・価格が求めやすい
  • ・タンクの手洗いあり/なしが選べる
  • ・便座が故障した場合便座のみ交換できる
  • ・便座を機能で選べる
  • ・タンク式なので水圧の低い所でも使える

一方、組み合わせトイレのデメリットは以下の通りです。

  • ・形状が複雑で掃除がしにくい
  • ・連続して流すと水量が足りなくなる時がある

タンク一体型トイレ

タンク一体型トイレは、便器・タンク・便座が一体化しているトイレです。
組み合わせトイレと比べると外観がスタイリッシュです。

タンク一体型トイレのメリットには次のようなものがあります。

  • ・凹凸の少ないシンプルなフォルムで掃除が楽
  • ・デザインに一体感がある
  • ・タンクの手洗いあり/なしが選べる
  • ・タンク式なので水圧の低い所でも使える

一方、デメリットには次のようなものがあります。

  • ・故障した場合全体を交換する必要がある
  • ・連続して流すと水量が足りなくなる時がある
  • ・組み合わせトイレと比較すると価格が高い

タンクレストイレ

タンクレストイレは、名前の通り水をためるタンクのないトイレです。スタイリッシュなデザインを求める人に人気があります。

タンクレストイレのメリットには次のようなものがあります。

  • ・節水型が多い
  • ・凹凸の少ないシンプルなフォルムで掃除が楽
  • ・組み合わせトイレと比較するとデザイン性が高い
  • ・タンクがない分トイレの室内が広く使える

タンクレストイレのデメリットには次のようなものがあります。

  • ・タンクがないのでトイレとは別に手洗いを設ける必要がある
  • ・機種によっては水圧の低いところでうまく動作しない
  • ・機種によっては停電時に動作しない
  • ・組み合わせトイレと比較すると価格が高い

トイレを選ぶポイント

トイレを選ぶ際には、どのような点を考慮したらいいでしょうか。

価格

まずは価格です。

手洗い場やキャビネットが一体となったシステムトイレや、タンクレストイレはスタイリッシュで見た目はいいですが、比較的導入コストが高くなる傾向があります。

トイレは家の中でも多く水を消費する設備のひとつです。4人家族の場合で1日約16回トイレを使用するとされています。在宅で仕事をする人も増えている今、自宅のトイレを使う機会も多いのではないでしょうか。トイレを設置する際には、トイレ本体の価格だけではなく、施工費用や、電気代・水道代などのランニングコストを含めたトータルコストで比較しましょう。

大きさ

戸建ての家のトイレの部屋の広さは、幅80cm×奥行き160cm、坪数では約0.5坪の広さのものが一般的です。
部屋の広さは決まっているので、トイレのサイズが小さければよりゆったりと空間を使うことができます。小ささを求めるのであれば、タンクがない分奥行きが短いタンクレストイレがおすすめです。

デザイン

トイレは1日に何回も使う場所なので、デザインにこだわり快適な空間にしたいものです。
大きさや色、タンクの有無といったトイレそのもののデザインはもちろん、手洗いや壁紙なども含めたトータルデザインを考え、清潔感のある快適な空間を演出していきましょう。

機能性

トイレの機能性も重要です。

あると便利なトイレの機能は以下の通りです。

ふちレス 汚れがたまりやすい便器のフチ裏をなくした、なめらかな形状。
節水 水の流れが工夫されていて、少ない水でも汚れをしっかり流せる。
汚れがつきづらい 汚物や水アカの付着しにくい素材で作られている。
脱臭 便座に座ると自動で脱臭機能が働く。
自動洗浄 トイレから離れると自動で便器を洗浄する。
おしり洗浄 パワフル・マイルド・泡洗浄などさまざまな種類でおしりを洗う。
除菌 トイレの洗浄水を加工し、便器の鉢内を除菌する。
節電(瞬間式) 瞬間式の便座でお尻を洗うお湯を瞬間的に作る。温水を保存する必要がないので、節電になる。

掃除のしやすさ

掃除のしやすさも重要です。
先に述べたふちレスや除菌機能があると、手入れがしやすくて便利です。

トイレを設置する際に考えること

注文住宅の間取りの中にトイレを設置するにあたり、どのようなことを意識したらよいでしょうか。

位置

トイレは非常にプライベートな空間でありながら1日に何度も使う空間であり、配置が難しいところです。
設置箇所があまりよくないと、トイレ内だけでなく、その周辺の部屋でも快適に過ごすことが難しくなってしまいます。家族が集まるリビングやダイニングの中やすぐそばにトイレを設置すると、ニオイや音が気になってしまいます。
また、同じくニオイや音の問題から静かに過ごしたい寝室付近への設置は避けるのが無難です。

一方でリビングや寝室からトイレが遠過ぎても不便を感じる場合もあるため、さまざまな状況を考慮してトイレの設置場所を決めましょう。

広さ

トイレの広さは、幅80cm×奥行き160cm、坪数では約0.5坪(約1畳)の広さのものが一般的です。手洗いや収納をトイレの室内に設置したい場合には、約0,75坪(1.5畳)くらい取るとスペースに余裕ができます。
便器からドアまでの距離にも考慮する必要があります。
トイレ内でスムーズに動くためには、最低でも40cm以上ドアと便器の間にスペースが必要ですので、間取りを考える際は注意しましょう。
トイレのスペースを十分に確保するのが難しいという方は、タンクレスのトイレを選ぶことで、奥行きに余裕をもった設計が可能です。ぜひ、検討してみてください。

収納

一般にトイレの収納には、手洗い台の下のスペースを当てることが多いです。しかし、トイレにはトイレットペーパーや生理用品、掃除用具など意外にしまうものはたくさんあるので、スペースに余裕があれば収納を別で作る使い勝手がいいです。
しかし、あまり大きな収納を作ると今度は圧迫感が出てしまうので、バランスに注意しましょう。

床材

トイレの床には飛び散った汚れなどがつきやすいため、水や汚れに強い素材を選びましょう。

トイレの床材には水や汚れに強いクッションフロアがよく使われます。よりおしゃれにしたい場合には、タイル貼りにしたり、人工大理石を取り入れたりするのもおすすめです。

床の色にも気を配るとトイレ空間がより快適になります。トイレは家の中でも狭いスペースなので、暗い色の床材を選ぶと圧迫感が出やすいです。明るい色の床材を選ぶことで圧迫感が緩和されるだけでなく、トイレ空間をより広く見せることができておすすめです。

窓の位置

換気のためにトイレには窓を設置したいところですが、窓の位置には十分注意しましょう。
隣の家からよく見える位置だったり、通りに面していたりすると、プライバシーが十分に守れないおそれがあります。

排水方式

排水方式と言われてもピンとこない方もいるかもしれませんが、トイレの排水方式には大きく分けて壁排水と床排水があります。トイレの背後から壁に向かって配管が出ているものが壁排水で、トイレの内部から床下に配管が進んでいるものが床排水です。

家の構造を確認し、どちらを採用するか決めた上でトイレの室内レイアウトを考えるとよいでしょう。

トイレの設置に適した場所

先ほど、トイレの位置には配慮が必要だとお伝えしました。ここでは、トイレを設置するのに適している場所を3箇所ご紹介します。

玄関の近く

まずは、玄関の近くです。

出かける前にトイレに行くことはよくありますし、外から戻ってすぐトイレにいきたいという場合にも便利です。また、ニオイや音が気になりづらいというメリットもあります。

ただし、玄関やリビングからトイレが丸見えになるのは避けたいものです。ドアの開く方向に配慮するなどの注意が必要です。

階段の下

2階建て以上の家であれば階段の下もおすすめです。階段の下は天井が斜めになっており、居住性があまりよくないため、収納庫などに使われることが多いスペースです。

しかし、天井の低い部分に便器を配置すれば、不自由さを感じることなくトイレとして使うことができます。階段の下にトイレを設置すると、そのほかのスペースをトイレに割く必要がなくなり、スペースの有効活用にもつながります。

廊下をはさんだリビングの横

廊下をはさんだリビングの横も人気のトイレ設置スペースです。

廊下をはさんでいるためにニオイや音も気にならず、リビングから近いので生活動線上も便利です。廊下をはさんだリビングの横に設置する場合も、トイレの中が丸見えにならないように扉のつけ方に配慮が求められます。

ライフスタイル ごとの注意点

ライフステージによっても注意する点が異なります。

高齢者が住んでいる場合

高齢者の方が住んでいる場合には、座りやすいように手すりをつける、人感センサーでトイレのふたの開け閉めが自動で行われる便器にするなどの配慮ができるといいでしょう。
また、段差をなくすと歩きやすいでしょう。

便器の奥にあるタンクまで手を伸ばすのが大変な場合もあるので、手洗い台を別途設置するのもおすすめです。

小さな子どもが住んでいる場合

小さな子どもが住んでいる場合は、手洗い台の位置について配慮が必要です。タンク一体型の手洗いはまず届かないので、独立型の手洗い台をつけることをおすすめします。

また、トイレの出入り口を引き戸にすると、小さな子どもでも開閉しやすく扉に指をはさんで怪我をすることも少なくなります。

掃除に手間をかけたくない場合

掃除に手間をかけたくない場合には、タンクレストイレや一体型トイレなど、凸凹の少ないデザインの便器を選ぶとよいでしょう。

また、ふちレスで便器のヘリに汚れがたまりづらくなっているものや、便器の鉢内に除菌水が流れるようになっているものなどもあります。また床材を水拭きしやすい素材にすることで、気兼ねなく雑巾掛けができるため、美しいトイレをキープしやすくなります。

節約したい場合

節約したい場合は、節水機能の高いトイレを選びましょう。

トイレは家の中でも水の使用量が多い場所です。国土交通省の調査によれば家庭用水の中で一番多く使われているのが風呂、トイレは堂々の第2位につけています 。また、家族の人数が多ければ多いほどトイレで消費する水の量は増えます。節水機能の高いトイレを採用することで、節約効果も高まります。

注文住宅のトイレに関する失敗例

注文住宅にトイレを設置する中で、失敗例もあります。

設置数が多すぎる

2階建てなので1階と2階にトイレを設置したが、生活のほとんどが1階で行われていて2階のトイレはほとんど使われていないという意見をよく耳にします。

ライフステージが進むに連れて家庭での過ごし方も変化し、それまでに使われていなかったトイレが使われるようになったというケースもあります。
トイレの設置数を考える時には長い目で見て、ライフスタイルの変化に対応できるようにしておきましょう。

ニオイや音が気になる

こまめに掃除をしていても、ニオイが気になる、音が気になるケースもあります。トイレは汚れがつきやすいので臭いが気になることが多い場所です。手入れのしやすい床材を選ぶなど工夫しましょう。

もし水を流しても便器から悪臭が上がってくるようであれば、それはトイレ場所の問題ではなく排水トラップや配管に問題がある可能性があります。業者への相談をおすすめします。

無駄な機能をつけてしまう

「最新式」の言葉につられてふたの自動開閉機能や自動洗浄機能のついているトイレを購入したが、そこまでの高機能は必要なかったという声や、トイレに手洗い台をつけたがあまり使っていないという声が聞かれます。

本当に必要な機能か検討することも必要です。

ドアの形状が間取りと合わない

設計している段階では気づきづらいのですが、ドアの形状が間取りに合わなかったという声もよく聞かれます。
トイレの前は比較的人が通る廊下なのに外開きのドアをつけたので、人にぶつかることが多いなどといった具合です。

動線をよく考え、引き戸にできるところは引き戸にすると、省スペースで便利です。

注文住宅はトイレもこだわりの空間に!

トイレの種類や選び方、トイレを設置するのにおすすめの場所やトイレ設置にまつわる失敗例についてお伝えしました。

トイレは1日に何回も使う身近な場所です。あまり人目につく場所ではないため後回しにされたり予算を削られたりしがちですが、頻繁に使う場所だからこそ気を配って設計したいものです。

つくば市で注文住宅をご検討でしたらファミリアにご相談ください。家全般に関してはもちろん、トイレの選び方やレイアウトについても豊富な知識と経験で家づくりをお手伝いします。

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カテゴリー: トイレ パーマリンク

監修者

池田 恵子

ファミリア株式会社 取締役

略歴

  • アトリエファイ建築研究所
    (建設・現場監理に従事。)
  • 池田林業株式会社
    (設計・現場監理に従事。後に取締役に就任し現在に至る。)

資格