注文住宅の費用で削れるところ8選!予算オーバー対策や注意点も解説

注文住宅の計画には多くの夢が詰まっていますが、現実的には予算内で理想の家を実現するための費用管理が重要です。この記事では、注文住宅における予算不足の原因を明確にし、費用を削減するための具体的なポイントと、それでも削らないほうが良い重要な要素について解説します。注文住宅を検討している方は、賢い予算配分と後悔しない家づくりの方法を参考にしてください。

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注文住宅で予算が足りなくなるのはなぜ?

購入者が理想とする注文住宅の計画がなかなか進まないのには、複数の共通した原因があります。資金計画の不備から予期せぬ建築費の高騰まで、これらの原因を理解することは、予算内で理想の家を建てるために欠かせません。

原因①きちんと資金計画を立てられていなかった

注文住宅の購入には、きちんとした資金計画が求められますが、多くの場合、計画が不十分なことが予算不足の主な原因です。とくに、土地購入費、本体工事費、別途工事費、諸費用といった主要な費用項目の詳細な見積もりが欠けていたりします。これらの費用を事前にしっかりと計算し、総合的な予算を立てましょう。

たとえば、住宅ローンの借入可能額が想定より低かったり、思いがけない追加費用が発生したりすると、計画が大きく狂ってしまいます。資金計画を立てる際には、すべての費用項目を網羅し、リアルな費用評価を行うことで、これらのリスクを最小限に抑えることが可能です。

原因②優先順位がつけられなかった

注文住宅において優先順位を適切に設定しないことが、予算オーバーの一般的な原因です。多くの購入者は、屋上を含む多様なカスタマイズオプションから選択する際、何が最も重要かを事前に決定していないため、全ての要素に均等に資金を分配しようとします。

この結果、本当に必要な機能や設備に十分な予算を割り当てることができず、不本意な妥協を余儀なくされることがあります。計画初期に家族会議を開き、各要素に対するニーズと願望を明確にリストアップすることで、資金を最も効果的に使用する部分を特定し、無駄遣いを防ぎながら理想の住宅を実現しましょう。

原因③家を建てたあとの諸費用を把握できていなかった

注文住宅の計画では、本体工事費以外にもさまざまな付帯工事費や諸費用が発生しますが、これらを十分に理解していないことが予算オーバーにつながる主な理由の1つです。たとえば、土地購入に伴う仲介手数料や登記費用、地鎮祭の開催費用、地盤調査や地盤改良の費用など、予想外の出費が積み重なります。

さらに、給排水管やガス管、電気配線の引き込み費用や外構費用など、家の構造以外に必要な工事費も見逃せません。これらの費用は住宅ローンの対象外となり、直接的な現金支払いを要求されることも珍しくありません。したがって、注文住宅を計画する際には、これらの諸費用を全て含めた総額で資金計画を立てることが重要です。このように全体的な費用を事前に把握することで、資金不足に陥るリスクを大幅に減らせます。

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原因④建築費の高騰が生じた

注文住宅の予算オーバーに大きく影響するのが、建築費の高騰です。最近では「ウッドショック」と呼ばれる建築資材の価格高騰が住宅価格に直接的な影響を与えました。たとえば、過去には坪単価80万円で計算されていた住宅が、現在では100万円となり、全体の建築費に大きな差が出ることがあります。

これは、木材をはじめとする建築材料の供給不足や輸入コストの増加が主な原因です。建築計画を立てる際には、このような市場の変動を考慮し、追加費用が発生しないように十分な予算調整が必要です。また、建築費用が上がる中で、資金計画を見直し、必要に応じて設計の見直しも検討することが、予算内での家づくりを実現するためには欠かせません。

原因⑤補助金を活用していなかった

注文住宅の建設費用を軽減する重要な手段の1つが、補助金や税控除の利用です。多くの購入者が、利用可能な補助金や助成金、さらには税金の軽減制度について十分に理解しておらず、これらを活用しないことで、必要以上の自己資金を投じてしまいます。国や地方自治体から提供されるこれらの支援策は、住宅ローンの負担を軽減し、より良い条件で家を建てることを可能にします。

したがって、住宅購入を計画する際には、事前にこれらの制度について調査し、適用条件を満たすかどうかを確認することが重要です。適切な補助金の活用は、注文住宅の予算計画において大きな差を生むことがあり、費用面での大きな助けとなること間違いありません。

 

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注文住宅の費用で削れるところ8選!

注文住宅の費用を抑えるためには、どの部分で削減できるかを見極めることが重要です。以下の8つの項目について具体的な削減方法を考えてみましょう。

  • ・土地
  • ・床面積
  • ・部屋数
  • ・ドア・窓
  • ・和室
  • ・設備のグレード
  • ・収納スペース
  • ・建物の形状

①土地

注文住宅の計画で、土地の選定は予算に大きく影響します。コスト削減の観点から考えると、選択する地域や土地の形状が重要です。人気のエリアに固執せず、価格が比較的低い隣接エリアも検討することが賢明です。

また、不整形の土地は価格が抑えられる傾向にあり、設計に工夫を凝らすことで、利用価値を高められます。ただし、高低差のある土地は避けるべきで、そのような土地では基礎工事や土留めなど追加のコストが必要です。土地を選ぶ際は、単に価格だけでなく、将来の建築費用も含めた総コストを考慮することが、賢い選択と言えるでしょう。

②床面積

注文住宅において、床面積の見直しはコスト削減の効果的な手段です。床面積を削減することで、建設費用は大幅に低減されます。具体的には、延べ床面積を減らすことによって、直接的な建材費、労務費、その他の施工費用が節約できます。

住宅金融支援機構のデータによると、床面積が1坪(約3.31平方メートル)減少するごとに、平均で約95万円のコスト削減が可能です。したがって、生活スタイルに必要最低限の広さを見極め、無駄なスペースを削除することで、全体の建設費用を効果的に抑えることができるのです。この方法により、予算内でより質の高い材料を選ぶなど、他の重要な要素に資金を再分配する余地が生まれます。

③部屋数

注文住宅において部屋数を見直すことは、コスト削減の有効な手段の1つです。部屋数を減らすことで、必要な建材、ドア、窓などの資材費用だけでなく、工事費用も抑えることが可能です。具体的には、多機能な共用スペースを設けることで、個別の部屋を減らし、空間をより効率的に活用することが推奨されます。

たとえば、子ども部屋をフレキシブルに設計し、将来的には畳んで開放的なリビングスペースに変更できるような間仕切りを採用するなどのアプローチが考えられます。このような設計により、必要に応じて空間を調整し、家全体の床面積を削減できるため、建設初期のコストだけでなく、長期的な維持費用の削減も可能です。

④ドア・窓

注文住宅において、ドアや窓は見た目の美しさだけでなく機能性にも大きく影響します。しかし、これらを適切に選ぶことでコスト削減が可能です。たとえば、窓の数を抑えることで、必要な材料費を減らし、組立の工程も簡略化されます。大きな窓は明るく開放的な空間を作り出しますが、冷暖房の効率を下げる原因にもなり得るため、小さくして数を減らすことで、エネルギー効率の改善にも貢献します。

さらに、ドアや窓の配置を工夫することで、同じ使い勝手を保ちつつ、建材の使用量を減らすことができるでしょう。適切な計画と選択により、コストパフォーマンスと居住性のバランスを取ることが重要です。

⑤和室

和室の設置は、魅力的ですが注文住宅のコストを大きく左右します。畳や障子、襖などの伝統的な要素は専門的な技術を要するため、洋室に比べて費用が高くなることが一般的です。実際、和室を設計することで100万円単位の追加費用が発生することも珍しくありません。

このため、予算の範囲内でコストを抑えたい場合は、和室を省略し、洋室で統一することを検討する価値があります。和室を取り入れずに、その他の空間により多くの資金を投じることで、機能性やデザイン性を高められます。また、将来的に和室が必要になった場合は、後から追加することも1つの方法です。

⑥設備のグレード

注文住宅の計画において、設備のグレードを選ぶ際は慎重な判断が求められます。最新の高機能設備は魅力的ですが、それらを多用することでコストが大幅に上昇し、結果的に予算オーバーにつながる可能性があります。理想を追求する過程で、必要以上に高価な設備に目が行きがちですが、基本的な機能を満たす標準的な設備で十分な場合も多い/です。

たとえば、キッチンの設備をグレードダウンしても、使用に必要な機能は充分に保たれます。将来的なメンテナンス費用も考慮に入れ、長期的な視点でコストパフォーマンスの良い選択をすることが、賢明な予算管理につながります。

⑦収納スペース

注文住宅において収納スペースは重要な要素ですが、大規模なものは予算を大きく圧迫してしまうので注意が必要です。内蔵式の収納は、設計と施工において追加の材料と手間が必要とされるため、コストが増大します。限られた予算内で効率的な住空間を確保するためには、収納スペースを最小限に抑え、必要に応じて移動式の家具を用いると良いでしょう。

これにより、初期投資を減らしつつ、将来的に自由に空間を調整することが可能です。収納計画には柔軟性を持たせ、現実的な予算内で最適な解決策を模索することが求められます。

⑧建物の形状

建物の形状は、注文住宅の予算に大きな影響を与える要素の1つです。複雑なデザインや独特の形状は、それだけ多くの材料を必要とし、建築費も増大します。たとえば、凹凸が多い形状や、特異な曲線を持つ構造は、通常の直線的なデザインよりも多くの建材を消費し、施工の難易度も高まります。

これらの要因は、最終的に高額な建築費につながるため、予算を考慮する場合は、シンプルで効率的な形状を選びましょう。シンプルな構造は、材料費の削減だけでなく、建設期間の短縮にも貢献し、コストパフォーマンスを最大化するのに役立ちます。

注文住宅でコストカットすべきでない箇所

注文住宅の計画において、予算管理は重要ですが、安全や快適性を確保するためにはコストカットしないほうがいい部分も存在するので注意が必要です。断熱材や外構工事、外壁のグレード、そして安全性に関わる要素や個々のこだわりが該当します。

これらの要素は、長期的な住まいの質と維持費用を考慮すると、初期投資を惜しまずに行うことが最終的な満足度を高め、将来的なコストを抑えることにつながります。

断熱材

断熱材の選定においてはコスト削減を図るべきではありません。住宅の断熱性を確保することは、居住者の快適性はもちろん、エネルギー効率の向上にも直接的に貢献します。高品質な断熱材を選ぶことで、冬は暖かく、夏は涼しい室内環境を保つことができ、結果として光熱費の節約にもつながるでしょう。

また、結露の発生を抑え、建物の耐久性を高める効果も期待できます。長期的な視点で見た場合、初期の投資が後々の維持費の削減につながるため、断熱材は質の良いものを選ぶべきです。

外構工事

外構工事に関しては、初期の設計段階でしっかりと計画を立て、必要最低限の範囲で実施することが望ましいです。しかし、プライバシー保護や安全性を考慮すると、一定レベルの投資は避けて通れません。たとえば、フェンスや門扉、目隠しのためのルーバーなどは、外部からの視線を遮り、住居の安全とプライバシーを確保する重要な役割を果たします。

これらを削減しすぎると、後に追加工事が必要になることもあり、結局のところ総コストが増加してしまいます。そのため、外構工事は住宅本体と同様に、慎重に予算配分を行いましょう。

外壁のグレード

外壁のグレードを削減することは、注文住宅において避けるべきです。外壁は住宅を外部の環境から保護するための重要な要素であり、高品質な素材を使用することで、耐久性と保護機能が向上します。耐候性が高く、保温性能に優れた外壁材を選ぶことは、長期的に見て光熱費の削減にも影響します。

また、質の低い外壁材を使用すると、塗装の剥がれや亀裂が発生しやすく、結果としてメンテナンス費用が増大する恐れがあるので注意しましょう。最初に少し高額でも長持ちする材料を選ぶことで、トータルコストを抑えることが可能です。

そのため、外壁のグレードはコストカットの対象から外すべきであり、予算配分を見直すことが推奨されます。

安全性に関する箇所

安全性は注文住宅において妥協すべきではない重要な要素です。とくに、セキュリティ関連の設備は、家族の安全を保護するために不可欠であり、これを軽視することは推奨されません。高品質の鍵、防犯ガラス、セキュリティシステムなどの初期投資は、不測の事態に備えるための保険と見なすことができます。

これらの要素を削減することで短期的にはコストを抑えることが可能かもしれませんが、将来的には大きな損失や危険に繋がるリスクを負うことになるでしょう。したがって、安全性に関わる部分には適切に投資を行い、家族全員が安心して生活できる住環境を確保することが重要です。

こだわりのある部分

注文住宅の設計において、個々のこだわりのある部分は削減対象から外すべきです。これには、家族のライフスタイルや将来的なニーズに密接に関連する要素が含まれます。たとえば、家事を効率よく行うための広いキッチンや、趣味や仕事に必要な特別な部屋などが考えられます。

これらのスペースは、日常生活の質を直接的に向上させ、家族全員の満足感に大きく影響する場所です。初期のコストを抑えるためにこれらの要素を犠牲にすることは、長期的に見れば家族の幸福感を損なう可能性があります。そのため、どうしても譲れないこだわりは維持し、その他の部分でコスト削減を図るべきです。

注文住宅で予算オーバーしないためにできること

注文住宅の計画と建築において、予算管理は大切です。予算オーバーを避け、理想の住まいを実現するためには、事前の計画と柔軟な対応が求められます。具体的な対処法を適切に実行することで、コストを抑えつつも機能性やデザイン性を損なわない家づくりが可能です。ここでは、予算をコントロールしながら注文住宅を建てるための効果的な方法を紹介します。

対処法①お金をかけるところを決めておく

注文住宅の計画では、事前にどこにお金をかけるかを決めておきましょう。この計画により、必要な要素に資源を集中させ、無駄な出費を防げます。

たとえば、家族が長時間を過ごすリビングルームやキッチンには高品質の材料を使用し、使用頻度の低い部屋や一時的な使用に耐える部分はシンプルな仕様に抑えることが効果的です。このように優先順位を明確にすることで、予算内で最も価値ある投資を行い、満足度の高い住宅を実現できます。

対処法②後付けできるのか考える

注文住宅の建設では、予算管理が重要です。最初から全てを完璧にするのではなく、後から追加や改善が可能な項目を見極めることが賢明です。たとえば、高価な内装や特別な設備は、建築後に段階的に取り入れられます。これにより、初期の出費を抑えつつ、将来的に家族のニーズに合わせてカスタマイズすることが可能です。

また、ホームオートメーションシステムや高級な照明設備などは、生活が落ち着いてからの方が、より効果的に投資できます。このようにフレキシブルに計画することで、予算を超えるリスクを減らし、時間をかけて理想の住空間を実現できます。

対処法③相見積もりをとる

注文住宅を建設する際には、複数のハウスメーカーや建設業者から見積もりを取ることが効果的です。これにより、各社の価格と提供サービスを比較し、コストパフォーマンスが最も高い選択をすることが可能です。

また、見積もりを比較することで、必要以上に高いコストを提示している業者を避けることができ、予算オーバーを防ぐことにもつながります。さらに、交渉の余地を見つけることができれば、さらにコストダウンを実現することも可能です。正確な見積もりを得るためには、明確で詳細な要求仕様を各業者に提示することが重要です。

対処法④補助金を活用する

注文住宅を建設する際、費用を抑えるために利用できる補助金や助成金の活用は効果的です。多くの自治体が、省エネルギー対策や耐震性向上のための補助金を提供しています。これらの補助金を活用することで、初期投資の負担を大幅に軽減できます。

適用条件や申請手続きは自治体によって異なるため、計画段階でしっかりと情報を集め、活用できる制度がないかを調査することが重要です。補助金を活用することにより、資金の面でより余裕を持った家づくりが可能です。

執筆者からのコメント

注文住宅の計画は、多くの夢と希望が詰まった一大プロジェクトです。しかし、理想の家を実現するためには、しっかりとした予算管理が不可欠です。注文住宅を検討する際には、土地や床面積、設備のグレードなど、削れるところを見極めることで、予算内での家づくりが可能になることを実感しました。

それでも、断熱材や外壁、安全性に関わる部分については、将来の快適な生活を考えると、初期投資を惜しむべきではありません。また、補助金の活用や相見積もりの取得は、予算を有効に使うための賢い方法です。注文住宅を検討している皆さんには、これらのポイントを参考にしながら、後悔のない家づくりをしてほしいと思います。

最終的には、家族全員が安心して暮らせる理想の住まいを実現するために、計画と実行を慎重に進めることが大切です。

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カテゴリー: 住宅について パーマリンク

監修者

池田 恵子

ファミリア株式会社 取締役

略歴

  • アトリエファイ建築研究所
    (建設・現場監理に従事。)
  • 池田林業株式会社
    (設計・現場監理に従事。後に取締役に就任し現在に至る。)

資格